●こんなお話
盲目の賞金稼ぎがレイプとか殺人をする暴君と対決していく話。
●感想
盲目の剣士チョン・イーは賞金稼ぎとしてその名を馳せる存在であり、ある日、捕らえた放火犯を連行しながら酒の香り漂う町“涼城”へと足を踏み入れる。そこでは婚礼を控えた華やかな祝宴が開かれており、彼は祝いの席に引き寄せられるように訪れる。宴の席で、彼はひとり静かに佇む娘ニー・イェンと出会う。
しかし、彼が目を覚ますと、宴は一瞬で惨劇に変わっていた。血に染まった会場、虐殺された村人たち、そして呆然と立ち尽くすイェン。襲撃したのは権力を笠に着る悪党ユーウェン一族だった。
当初は関わるつもりのなかったチョン・イーだったが、イェンを見捨てられず洛陽まで護送することを決意する。役所へ事件を報告するものの、相手は権力者。警察すら無力で、逆に逮捕されかけた彼は警官たちを退ける羽目になる。
旅の途中、チョン・イーはかつての知己である女性チンと再会する。彼女は「命を懸けてまで関わるべきではない」と忠告するが、チョン・イーはチンが犠牲になりながらも敵のアジトへ突入していく。
クライマックスでは、炎と雪が入り混じる決戦が描かれる。酒を撒いて炎を立ち上がらせ、その火を纏った剣で敵を斬る場面や、逆手での斬撃、関節を砕く容赦のない剣技など、アクションは迫力に満ちていた。特に敵の女剣士との一騎打ちは見ごたえがあり、剣劇の緊張感を存分に味わえました。
最終的にチョン・イーは暴君の御曹司ユーウェン・インを討ち果たし、イェンを自由へ導くことに成功する。そして、自らは静かにその場を去り、再び孤独な旅路へと歩み出す。
アクションシーンはとても魅力的で、剣戟の迫力や酒を炎と化して戦う場面など、見応え十分でした。とりわけ敵の女剣士とのバトルは緊張感が強く、映像的にも非常に美しいものでした。豪快さと繊細さが同居した見せ場が多く、剣劇映画として楽しめる作品だと感じます。
一方で、字幕がカタカナばかりで読みにくく感じる部分があり、登場人物の関係性が一瞬の説明で流されてしまうため、人間関係の把握に苦労しました。豪快なアクションに比べ、敵側の描写がやや駆け足で深まりに欠ける印象も受けました。
それでも、盲目の剣士が権力に立ち向かい、仲間を救おうとする物語は王道で、燃える展開が続いて最後まで楽しめました。剣劇アクションが好きな方には特におすすめできる一作です。
☆☆☆
鑑賞日:2025/09/09 Amazonプライム・ビデオ
監督 | ヤン・ビンジア |
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脚本 | ヤン・ビンジア |
出演 | シェー・ミャオ |
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ガオ・ウェイマン | |
シャン・ハオ | |
ジャン・ディー |