●こんなお話
引退したい殺し屋が子どもに暴力振るう男に制裁したところ関係者から復讐されていく話。
●感想
IRAの闘士が子どもを巻き込んだ爆弾テロを起こす場面から始まり、舞台はアイルランドの小さな村。主人公は表向きは本の売買をしている男として登場して、警官と射撃の練習をしたり、お隣さんのおばさんと雑談したり、地元のバーで女主人と話をしたりと、のんびりした日常が描かれていく。
そんな中、仕事の依頼が舞い込む。仲介人と会話し、ターゲットの男のもとへ向かって拉致。墓穴を掘らせたあとに射殺することで、主人公が実は殺し屋であることが明らかになる。
一方、女主人の元には暴力的な男が出入りし、子どもにも手をあげるような状況。子どもを気にかけた主人公は、仲介人に若手の殺し屋を使って依頼しようとするが断られてしまう。そこで若手殺し屋のサポートを受けながら、主人公が個人的にその男を始末する。
しかし、その男の姉がIRAの闘士で、弟の行方を探し始める。何でも屋などを訪ね歩き、ついに仲介人のもとへたどり着く。最初はしらを切っていた仲介人だったが、弟が持っていた弾丸を見つけられてしまい、姉に射殺される。
仲介人が殺されたことを知った主人公の家に、IRAの姉が現れる。お隣さんに暴力を振るう姿を遠くから見守る主人公は、ついに姉と接触し交渉へ。自分の行動は個人的なものだったと伝えるが、姉はそれを信じず「依頼人を連れてこい」と迫る。
そして混雑する酒場で姉と再会。だがそこへ若手殺し屋が現れ、自分が依頼人だと名乗ると、姉はいきなり発砲。銃撃戦に発展する中、警官も爆弾を外に運び出そうと奔走。姉は撃たれてふらつきながら教会に逃れ、そこで主人公と最後の会話を交わし、物語は決着へ。物語の最後、主人公は警官やお隣さんに別れを告げて、村を後にしておしまい。
アイルランドの寒々とした風景、村、静かな教会や古びた酒場の映像が、全体に重厚で渋い雰囲気を与えていて、ただ画面を見ているだけでも満足感が高かったです。役者陣の存在感も圧倒的で、特に主人公の抑えた演技などが印象的でした。銃撃戦も大げさな演出はなく、淡々とした現実味あるアクションで、自分の好みにぴったりでした。
ジャンルとしては「引退した殺し屋が再び戦いに巻き込まれる」王道テンプレートですが、その展開を静かに、しかし熱く描ききった渋くて味わい深い1本だと思います。
☆☆☆
鑑賞日:2025/06/20 Amazonプライム・ビデオ
監督 | ロバート・ロレンツ |
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脚本 | マーク・マイケル・マクナリー |
テリー・ロアン |
出演 | リーアム・ニーソン |
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ケリー・コンドン | |
ジャック・グリーソン | |
コルム・ミーニイ | |
キアラン・ハインズ | |
デズモンド・イーストウッド |