●こんなお話
いろんな人の夢に登場して夢インフルエンサーになったと思ったらキャンセルカルチャーをうけたりする教授の話。
●感想
プール掃除をしている主人公と、そばで本を読んでいる娘の様子から始まります。空から鍵が落ちてきて驚く娘。そして娘が空へと飛んでいき、これが夢の中の出来事であるとわかります。
現実では、主人公は大学教授。授業ではシマウマの擬態の話をしていますが、学生たちは退屈そう。その一方で、街中や学内では「この人、夢に出てきた」と主人公の話題が広まり、彼が“他人の夢に登場する男”として注目され始めます。
元恋人や知人たちも「夢に出てきた」と証言し、主人公は話題の人に。もともと論文で有名になりたいと考えていた主人公ですが、なかなか執筆できずにいます。一方で、同僚の裏切りを疑ったり、不安や焦燥感が次第に募っていきます。
そんな中、夢の中で主人公と関係を持ったという広告代理店の女性が現れ、夢と同じ状況を再現しようとしますが、主人公は動揺して逃げ出してしまいます。
すると、次第に夢の中での主人公が他人を傷つけたり、殺したりするという悪夢を見る人が続出。主人公は「危険人物」として恐れられ、授業ボイコットや落書き、社会的制裁に追い込まれます。家族や職場からも距離を取られ、SNSで謝罪動画を出すものの、内容が言い訳ばかりで炎上。レストランでもトラブルを起こし、娘の発表会にも乱入して騒ぎを起こしてしまいます。
結果、家族とは別居状態となり、主人公はフランスで出版イベントを開くことに。やがて人々の夢に登場することもなくなり、社会から忘れられていきます。その後、夢に入り込んで広告や宣伝をする技術が発展し、主人公もその技術を使って奥さんの夢に現れ、夢の中で寄り添う姿がラストに描かれます。
この作品は、ネットでバズる→炎上する→社会的に抹消されるという“キャンセルカルチャー”の風刺として見ることもできます。他人の夢に勝手に登場しては、いつの間にか悪意の象徴として消費されてしまう主人公を、ニコラス・ケイジが怪演しています。
ただし、ストーリーの盛り上がりが少なく、各シーンがやや長めで淡々としているため、全体的にはやや退屈に感じる部分もありました。とはいえ、夢・無意識・ネット時代の名誉と悪意の扱われ方に興味がある人には一見の価値がある作品かもしれません。
☆☆☆
鑑賞日:2024/12/01 イオンシネマ座間
監督 | クリストファー・ボルグリ |
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脚本 | クリストファー・ボルグリ |
製作 | ラース・クヌッセン |
アリ・アスター | |
タイラー・カンペローネ | |
ジェイコブ・ジャフケ | |
ニコラス・ケイジ |
出演 | ニコラス・ケイジ |
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リリー・バード | |
ジュリアンヌ・ニコルソン | |
ジェシカ・クレメント | |
マイケル・セラ | |
ティム・メドウス | |
ディラン・ゲルーラ | |
ディラン・ベイカー |