映画【G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ】感想(ネタバレ):奇抜な世界観とスピリチュアルな試練の連続!

snake-eyes-g-i-joe-origins
スポンサーリンク

●こんなお話

 日本を守る忍者軍団に入って訓練したりヤクザから親を殺した犯人を捜してもらったりする話。

●感想

 主人公の少年時代、父親が何かに怯えて主人公を隠し、その直後に悪党たちに襲撃され命を落とすところから始まります。主人公は生き延び、20年後には地下格闘技で活躍していました。ある日、ヤクザから武器密輸のスカウトを受け、そこで助けた人物が600年にわたり日本を守ってきた忍者軍団の頭目の息子だったことから、物語は一気に忍者アクションへと展開します。

 主人公は嵐影にスカウトされ、3つの試練を受けて正式な一員となることに。しかし同時に、ヤクザとも繋がっており、嵐影の秘宝「太陽石」を盗むよう命じられます。代わりに父親殺しの犯人の引き渡しを条件に、潜入を続ける主人公。

 太陽石を盗み出し、ヤクザに渡してしまったことで、ヤクザはスーパーパワーを得てしまいます。主人公はその報酬として仇を教えられますが、それが組織ぐるみの暗殺だったことを知り、忍者の里へ戻ることを決意。嵐影の里ではヤクザによる襲撃が始まり、主人公と仲間たちが迎撃。最終的に、主人公はヤクザのボスと一騎打ちをし、大蛇に飲み込ませて決着します。

 物語は忍者軍団の試練パートと、潜入捜査パートの2軸で展開されますが、試練は一休さんのとんちのようだったり、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』のルークの幻覚訓練のようだったりと、アクションというより精神修行に近く、観ていて何が起きているのか理解しづらい部分もありました。

 一方、潜入捜査の緊張感もあまりなく、忍者の里からバイクで東京へすぐ戻れるゆるさや、主人公があっさりと秘宝を渡してしまう展開に、説得力の薄さを感じました。結果的に、名もなき忍者たちが犠牲になってしまうのは、ほぼ主人公のせいという流れになってしまい、感情移入が難しかったです。

 また、正義の組織「ジョー」や敵組織「コブラ」などの登場人物も活躍が少なく、削っても支障がないような印象でした。特に、仲間たちが敵になったりすぐに味方になったりする展開は、キャラクターの心情の変化が描かれず、やや雑に感じてしまいました。

 それでも、石田えりさんの登場シーンはとても魅力的で、彼女の存在感に救われた部分もありました。ラストで「実はお父さんは…」という話が出てきますが、それならもっと早く子ども時代の主人公を助けてあげられたのでは…と、疑問も残る終わり方でした。

☆☆

鑑賞日:2021/10/25 TOHOシネマズ日比谷 2024/11/20 U-NEXT

監督ロベルト・シュヴェンケ 
アクション監督谷垣健治 
脚本エヴァン・スピリオトポウロス 
ジョー・シュラプネル 
アナ・ウォーターハウス 
原案エヴァン・スピリオトポウロス 
出演ヘンリー・ゴールディング 
安部春香 
アンドリュー・小路 
ウルスラ・コルベロ 
平岳大 
イコ・ウワイス 
タイトルとURLをコピーしました