●こんなお話
スーパーパワーの機械が体に埋め込まれてしまって、それを狙う企業と戦う話。
●感想
大学を卒業して実家に戻ってきた主人公は、家族の大きな期待を背負っている。そんな中、清掃のアルバイトとして企業の重役の部屋を掃除していたところ、内部の口論を目撃し、止めに入った結果、解雇されてしまう。しかし、その重役の甥から「仕事を紹介する」と声をかけられ、頼りにして会いに行きます。ところがその甥は何かを盗み、それを主人公に預けて姿を消す。
自宅に持ち帰ってその物を開けた主人公は、突如として体内に何かが取り込まれ、未知の力を得てしまい、宇宙に飛ばされるなどパニックに陥る。なんとか事態を理解しようと知り合いの女性を訪ねようとしますが、その矢先にその女性が何者かに追われており、銃撃戦に巻き込まれて一緒に逃げることに。
その後、主人公とヒロインは敵の企業に潜入し、重要なスマートウォッチ型デバイスを手に入れて脱出を試みます。しかし途中で宿敵に見つかり戦闘に突入。主人公は「誰も殺したくない」と思いながらも、体内に宿る力が生み出す様々な武器を使いこなし、殺傷を避けつつ戦う。なんとか逃げ延びますが、体に取り込まれた物体は宇宙由来のものであり、取り出すことが不可能だと知り、ショック。
その後、屋上で一人思い悩む主人公の元に、実家が敵に襲撃され、父が命を落としたという知らせを受け、救出に向かいますが、主人公もまた囚われの身となります。絶体絶命の中、今度は陽気な家族たちが力を合わせて主人公を救出し、最終決戦へ。
家族それぞれが実は特別なスキルを持っており、おじは天才的なハッカーとして大活躍。おばあちゃんに至っては、主人公が「人を殺さない戦い」を目指している横で、ためらいなく敵を倒していくというギャップが非常にユニークで笑いを誘います。
クライマックスでは宿敵との一騎打ちが描かれ、敵にもまた悲しい過去があったことが明かされ、和解に至る。最終的には敵の自爆に巻き込まれ、会社の黒幕もろとも消滅。主人公の家は壊れてしまいますが、ヒロインが会社を継ぎ、再建を援助してくれることになり、2人は結ばれておしまい。
テンポよく話が進み、登場人物の再会や状況の展開がスムーズで、家族が一致団結して戦う様子や、それぞれに見せ場がある演出はとても楽しいです。中でもおじのハッキング能力や、おばあちゃんの豪快な戦闘など、個性豊かなキャラクターたちの活躍が光ります。
ただ、全体的に展開がスピーディすぎて、主人公とヒロインが偶然出会ったり、企業への潜入があっさり成功したりと、物語に緊張感があまり感じられない部分もありました。アクションも大規模なCGで迫力はあるものの、類型的な印象で特別な高揚感には欠けたかもしれません。
とはいえ、明るく陽気な家族の絆とテンポの良さ、そして笑いも混じる軽快な作風で、気軽に楽しめるエンタメ作品だったと思います。
☆☆☆
鑑賞日:2024/07/07 NETFLIX
監督 | アンヘル・マヌエル・ソト |
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脚本 | ギャレス・ダネット=アルコセル |
出演 | ショロ・マリデュエニャ |
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ブルーナ・マルケジーニ | |
アドリアナ・バラーザ | |
ダミアン・アルカザール | |
ラオール・トゥルヒージョ | |
スーザン・サランドン | |
ジョージ・ロペス |