●こんなお話
セーヌ川にサメが現れてパニックになる話。
●感想
プラスチックごみによる環境問題を調査していた主人公たちが、突如として出現したサメに遭遇するところから始まります。最初は通常の調査の一環だったはずが、そのサメがわずかな期間で驚くほど巨大化していることが発覚し、調査チームは騒然。
サメの皮膚サンプルを採取しようと試みた際、主人公はサメに襲われ、海中に引きずり込まれます。鼓膜が破れるほどの被害を受けながらも、なんとか海上に戻り一命を取りとめます。
それから時が流れ、主人公は大学で教授として教鞭をとることになります。しかし、授業に真剣に向き合わない学生たちにやや疲れた日々を送っていました。そんな中、かつて自分が追っていたサメが現在はセーヌ川にいると、環境保護団体の若者から告げられ、証拠も提示されます。当初はその申し出を断るものの、主人公はやはり気になって現地調査へと向かいます。
セーヌ川で調査活動をしていた環境保護団体の若者たちは、サメの気配に驚愕。しかし、主人公の通報により彼らは警察に拘束されてしまいます。その後、主人公たちは独自に調査を進め、セーヌ川に本当にサメが潜んでいることを突き止めます。市長に危険性を訴えますが、目前に控えたトライアスロンの開催を理由に一蹴されてしまい、対応してもらえず。
やむなく、主人公たちと環境団体の若者たちは、自力でサメを追うことにします。しかし、保護を名目に行動していた若者の一人がサメに襲われ死亡。パニックに陥ったグループは次々と水中に落ち、複数が襲われる惨劇となってしまいます。
それでもトライアスロン当日を迎え、軍が安全確保のために警護につくものの、警察は独自の作戦で事態を収束させようとします。ところが計画は失敗に終わり、会場はサメの襲撃によって大混乱。さらに、銃撃の際に不発弾が爆発し、セーヌ川が決壊。水がフランス中に広がり、サメがあふれ出すというラストでおしまい。
本作は、映像の美しさが際立ち、それだけでも十分な魅力を持つ作品でした。特に、環境保護団体の中に登場する“天才ハッカー”があまりに万能すぎて、笑ってしまう場面も。さらに、「人間の命よりもサメの命が大切」という極端な価値観で突き進む若者たちが、逆にサメに襲われるという展開にはある種の皮肉があり、痛快でもありました。
見せ場も随所にあり、アクションやパニック描写には迫力がありますが、ストーリーとしては既視感のある展開も多く、最後の「サメにとってはハッピーエンド」というオチ以外に大きな意外性は少なめです。とはいえ、ジャンル映画として手堅く楽しめる一本であり、気軽に鑑賞したい時にはぴったりの作品と言えるでしょう。
☆☆☆
鑑賞日:202/07/10 NETFLIX
監督 | ザヴィエ・ジャン |
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脚本 | ザヴィエ・ジャン |
ヤニック・ダアン | |
モード・ハイヴァン |
出演 | ベレニス・ベジョ |
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ナシム・シ・アフメド | |
レア・レヴィアン | |
アンヌ・マリヴィン | |
サンドラ・パルフェ | |
アクセル・ユストゥン |