●こんなお話
臨月の母親がスーパースパイダーに噛まれたのをきっかけに予知能力を手に入れた主人公が人助けしようとする話。
●感想
アマゾンの密林で希少な蜘蛛を研究していた博士が、突如助手に裏切られて撃たれ、発見した蜘蛛を奪われてしまう。瀕死の博士は、不思議な力を持つ原住民のような人々に救われるが、出産の末に命を落とし、生まれた赤ん坊だけが生き残る。
その赤ん坊は成長し、ニューヨークで救急隊員として働いている。救助した人の家族から感謝の手紙をもらったり、橋の事故で海に落ちて意識不明になったりと日々を過ごすが、あるパーティーの最中、予知夢のような奇妙なビジョンを見るようになる。
その後、花火工場の火災現場で救命活動をしていると、同僚が事故に遭うビジョンを見る。何とか阻止しようとするも、強く言えずそのままになってしまい、予知どおり同僚が事故死してしまう。
電車に乗った主人公は、少女3人が見知らぬ男に殺される夢を見て彼女たちを降ろすが、その後、黒いスーツを着た悪のスパイダーマンのような男に襲われ、少女たちと共に森の中へ逃げる。母親の遺品を通じて、自分の出生の秘密とアマゾンでの出来事を知ることになる。
少女たちが姿を消してしまった後、彼女たちがダイナーで襲われる予知夢を見て、主人公はタクシーで現場に突っ込み救出。その後、同僚の家にかくまってもらう。
同僚の義妹の出産が迫る中、再び悪の男が現れて襲ってくるが、盗んだ救急車で突っ込んで逃走。花火工場に逃げ込み、予知能力を活かして戦うクライマックスでは、3人の少女が屋上から落ちそうになる場面で、スーパーパワーを得た主人公が“ゴースト”のように分身して同時に救出。敵を撃退し、少女たちはそれぞれ将来スーパーヒーローになっておしまい。
全体を通して、ドラマシリーズの第1話のような構成で、序盤は主人公の救急隊員としての日常や能力の芽生えがじっくり描かれる。医者に予知夢の相談をしたり、パーティーでの会話など、展開はかなりゆっくりめ。物語が本格的に動き出すまでが長く感じられ、個人的には時間が気になってしまいました。
クライマックスの花火工場で、未来を1歩先に見ることで行動を変えていくアイデアは面白かったものの、既視感のある展開が多く、新鮮さには欠けた印象です。特に、水に落ちて心停止から復活するシーンが2回も登場するなど、主人公の生命力にツッコミを入れたくなりました。
見せ場やキャラクター、ストーリーともにいまひとつ没入できず、個人的には退屈な120分になってしまった1作でした。
☆☆
鑑賞日:2024/02/23 イオンシネマ座間
監督 | S・J・クラークソン |
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脚本 | クレア・パーカー |
S・J・クラークソン | |
原作 | マーベル・コミック |
原案 | ケレム・サンガ |
出演 | ダコタ・ジョンソン |
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シドニー・スウィーニー | |
セレステ・オコナー | |
イザベラ・メルセド | |
タハール・ラヒム | |
エマ・ロバーツ | |
アダム・スコット |