●こんなお話
大谷翔平選手とその関係者のインタビューのドキュメンタリー。
●感想
大谷翔平選手の少年時代から現在に至るまでの歩みを、本人や関係者の証言を交えて振り返るドキュメンタリー。高校時代、プロ野球選手としての活躍、そしてメジャーリーガーとなって世界のトップへと駆け上がっていく姿が丁寧に描かれていきます。
クライマックスは2023年WBC決勝、日本代表のユニフォームを着た大谷がアメリカ代表の主将・マイク・トラウト選手と対峙する場面。まさに物語としてもスポーツとしても最高潮のシーン。
印象的だったのは、大谷選手が少年時代に書いた「8球団からドラフト1位指名される」という夢の設計図。そこにはその夢をいくつもの目標に細分化し、どんな行動をとるべきかまで具体的に記された紙があり、これを見た関係者たちが一様に驚きます。その思考力と行動力に、子どものころからの非凡さがうかがえました。
また、過去に関わった監督や指導者たちに、大谷が自分の受け止め方について尋ねるシーンも印象的。自身のことを客観的に振り返り、他者の目線を通じてより深く理解しようとする姿勢があります。
「過去を悔やんでも仕方ない。今の選択が常に正解」という考え方を持ち、野球に全力で打ち込み、人生をかけてコミットしている姿勢には感服。映像は美しく、大谷翔平選手が試合で躍動する姿と、静かに語るインタビューが交互に挟まれていて、彼の魅力をあらゆる角度から描いていると思います。
野球選手としてだけでなく、人間としての品格、誠実さ、そしてストイックな姿勢が浮き彫りになる構成で、まさに“教科書のような存在”としての大谷翔平が伝わってきます。
一方で、ここまで完璧だと、逆にもっと苦悩や挫折、努力の裏側をリアルに見てみたいという気持ちも湧いてきたり。大谷翔平選手は、あまりそうした部分を表に出さないのかもしれないですが、人間味あふれる彼の一面にも今後触れてみたくなる、そんな一本でした。
☆☆☆
鑑賞日:2023/12/20 Disney+
監督 | 時川徹 |
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出演 | 大谷翔平 |
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松井秀喜 | |
ダルビッシュ有 | |
栗山英樹 | |
ジョー・マドン | |
マイク・ソーシア | |
ペドロ・マルティネス | |
CC・サバシア | |
ネズ・バロロ |