●こんなお話
亡くなった奥さんをよみがえらせるための石板を巡って戦うパーティーの話。
●感想
物語は、ある男が牢獄に収監されている場面から始まる。法の裁きが下るか、あるいは赦されるのか。行く末が決まるそのときを前に、彼は静かにこれまでの出来事を語り始める。
かつて主人公は、富裕層から金を奪い取るという行為を仲間とともに続けていた。しかしある日、愛する妻が命を落としてしまう。悲嘆に暮れるなか、彼の前に現れた魔女が語った「命を蘇らせる石板」の存在。それを手に入れれば、妻を蘇らせることができるという言葉にすがりつくように、主人公はその石板を求めて旅に出ることを決意する。
娘を置いて旅立った彼だったが、目的の途中で捕らえられてしまい、牢へと送られる。そして今、裁きを待つ身となっていた。
そんな話を語っている最中、遅れて現れたもう一人の裁判官が鳥のような姿をした者とともに突如として窓の外へ。二人は空を飛び、脱獄という奇想天外な方法で主人公を連れ出す。
かつての仲間のもとを訪れると、彼は今や領主となり、栄華を極めていた。そこには主人公の娘も暮らしており、驚きとともに再会を果たす。だが、そこには罠が待ち受けていた。領主と魔女は裏で手を結び、主人公を反逆者に仕立てあげていたのである。娘までもが騙され、父に不信の目を向けていた。命の危機にさらされた主人公は、再び逃げ出す。
道中で出会ったのは、見世物小屋でインチキを働く魔術師や、動物や虫へと姿を変えることのできる個性豊かな仲間たち。彼らと手を組み、騙し騙されの世界を生き抜いていく。魔法を無効化するという兜を手に入れるため、死人に語りかけ、その在処を探りながら地中深くへと潜っていく。追手に迫られた際には勇者が現れ、剣を振るって助けてくれる展開もある。ようやく兜を手に入れるが、魔術師はそれを扱うことができなかった。
それでも一行はあきらめず、敵の城への潜入を試みる。どこでもドアのような魔術を用い、ひと騒動を巻き起こしながら城へ忍び込もうとする。しかしあえなく捕らえられ、命を賭けた見世物ゲームへの参加を強いられる。迷路のようなステージや怪物との戦いの中で、ついに娘との誤解が解け、心を通わせながら脱出を図る。
しかし真の敵である魔女は、すでに街全体を支配しようとしていた。彼らは再び立ち上がり、力を合わせて魔女との決戦に挑む。そして仲間たちの絆と知恵によって、ついに魔女を打ち破り、街に平穏を取り戻す。
作品全体としては、重苦しいテーマを扱いながらも、どこか軽やかに、そして洒脱に物語が進行していく感触がありました。映像には迫力があり、特に魔法や変身などの場面では豊かな想像力が画面いっぱいに広がっていて、見ていてわくわくする楽しさがありました。
登場人物たちもそれぞれ魅力的で、どんな窮地でも妙にお気楽に乗り越えていく姿が痛快で、見ているこちらとしても思わず笑みがこぼれる場面が多々ありました。テンポも良く、次から次へと展開が押し寄せてくるので、最後まで飽きることなく鑑賞することができました。
途中、死人に語りかけて情報を引き出すシーンでは、ゲームをもとにした世界観が色濃く現れていて、固有名詞も多く、一瞬戸惑うこともありましたが、物語自体の流れは明快なので、置いていかれる感覚はありませんでした。
140分というやや長めの尺ではありましたが、その時間が気にならないほど、映像とストーリーの世界に引き込まれるファンタジー作品でした。
☆☆☆☆
鑑賞日:2023/04/09 イオンシネマ海老名
監督 | ジョン・フランシス・デイリー |
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ジョナサン・ゴールドスタイン | |
脚本 | ジョン・フランシス・デイリー |
ジョナサン・ゴールドスタイン | |
マイケル・ジリオ | |
原作ゲーム | ハズブロ:(「ダンジョンズ&ドラゴンズ」) |
原案 | クリス・マッケイ |
マイケル・ジリオ |
出演 | クリス・パイン |
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ミシェル・ロドリゲス | |
ジャスティス・スミス | |
ソフィア・リリス | |
レジェ=ジーン・ペイジ | |
デイジー・ヘッド | |
クロエ・コールマン | |
ヒュー・グラント |