映画【N号棟】感想(ネタバレ):団地×カルト×ホラーの新感覚作品!不可解な集団に飲まれる若者たちの行方とは?

N-Goto
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●こんなお話

 廃墟だと思ってやってきた主人公たちが実は住民がいてなにやら怪しい集団だとなっていく話。

●感想

 大学生の主人公たちは、廃墟と噂される団地を舞台にホラー映画を撮影しようと現地へ向かう。しかし、現地に到着すると意外なことに普通に住民が暮らしており、「入居希望です」と伝えると、あっさり受け入れられて団地の内見が始まる。団地には想像以上に多くの住民がいて、ホラー映画を撮ろうとしていた彼らは驚かされる。

 その夜、歓迎会が開かれ、ホラー映画の撮影が目的だと伝えると、それまで和やかだった住民たちの態度が急変。歓迎ムードは一気に消え去り、宴は終了してしまう。翌日には、住民のひとりが突如飛び降り自殺する出来事が起こるが、他の住民はまったく動じた様子を見せず、異様な空気が漂いはじめる。

 元カレはすぐにその場を離れようとするが、彼女はなぜか団地に惹かれ、徐々に住民たちに取り込まれていく。そして主人公自身も「もう少しここに残りたい」と不安定な選択をする。団地内では住民が静かに集まってご飯を食べたり踊ったりする「パーティー」が開かれ、やがて夜になると、集団セックスのような儀式や、何か得体の知れない食べ物や飲み物を口にする光景が続く。

 やがて彼氏も彼女も完全に団地の住民に取り込まれてしまい、主人公だけが正気を保ったまま逃げ出そうとする。しかし逃げた先は団地のリーダーの部屋で、そこで奇妙な怪奇現象についての会話が交わされる。そして最終的に、主人公もまた“取り込まれて”しまう――という。

 舞台となる団地の不気味な雰囲気や、日本独特の“隔離された空間”という設定はとても魅力的で、ロケーションとしての不気味さはしっかりと機能していたと思います。ただ、主人公を含めた登場人物たちは行動に一貫性がなく、感情移入できるキャラクターがほとんどいなかったのが残念。ホラーとしての緊張感や不安感を高めるというより、「なぜそんな行動を?」と感じてしまう違和感が終始ノイズになってしまい、物語への没入感が薄れてしまいました。異様な集団と対峙するサスペンスとしての面白さをもっと引き出せていれば、より印象に残る作品になっていたかもしれないです。

鑑賞日:2023/03/08 WOWOW

監督後藤庸介 
脚本後藤庸介 
出演萩原みのり 
山谷花純 
倉悠貴 
筒井真理子 
岡部たかし 
諏訪太朗 
赤間麻里子 
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