映画【牛首村】感想(ネタバレ):双子の因習と幻影に迫るホラー映画の世界

ox-head-village
スポンサーリンク

●こんなお話

 自分と同じ顔をした人が映る動画を見て、その動画の舞台となった廃墟へ行ってそこの村に伝わる口減らしの伝統の悲劇を知っていく話。

●感想

 動画を撮影している高校生のグループがいて、その中の一人が顔出しを避けて廃墟のエレベーターに乗り込む。そこはいわくつきの場所として噂される建物で、やがて彼はエレベーターに閉じ込められ、ついには落下事故に巻き込まれる。

 物語の主人公は、その動画を通じて自分と瓜二つの人物が映っていることを指摘される。知らせてきたのは「自分は彼氏だ」と名乗る男子生徒。その動画に映るそっくりな人物こそ、冒頭でエレベーターに閉じ込められた少年だった。気になった主人公は、その廃墟があるという北陸の地へと向かうことを決意する。

 彼氏の運転する車で目的地を目指す途中、駐車の際に事故を起こしてしまい、相手の大人に廃墟まで案内してもらうことになる。道中ではトンネル内で少女の幻影を見て車と衝突しそうになったり、廃墟の屋上から人影が落下してくる幻を見たりと、現実と虚構の境目が揺らいでいく。

 海辺で主人公が景色を眺めていると、蜃気楼の中に少女の姿が現れる。その幻影に引き寄せられるようにして海へ入ろうとする青年を必死に引き留める主人公たち。彼は消えた少女の恋人で、主人公を見て驚愕する。同じ顔をしていたからだった。

 やがて主人公は消えた少女の家に案内され、そこで自分の父と母に再会する。さらに語られるのは、主人公が実は双子として生まれ、かつて行方不明となった過去を持つこと。村には古くから双子を口減らしとして一人捨てるという因習があり、父と母がそれぞれ別々に育てることを選んだのだった。そして祖母の世代にも同じ悲劇があり、双子の一人が村人に連れ去られたという記憶が語られる。

 物語は一層混迷を深め、廃墟に案内してくれた男性は幻に襲われエレベーターに巻き込まれて命を落とす。さらに彼氏も帰路のバスで幻影に襲われ、命を落とす。遺体が握っていたのは「牛首の石」と呼ばれる不思議な品であり、それを祖母に見せた瞬間、主人公は祖母の記憶世界に迷い込む。そこにはかつて洞窟に捨てられた主人公の双子の兄弟がいて、必死に救い出そうとする。さらに祖母の双子の兄弟も姿を現し、過去の因習に囚われた影たちが主人公たちに襲いかかってくる。

 全体を通して、不気味さを狙った映像や幻影の演出は数多く盛り込まれていましたが、恐怖としての迫力や緊張感はあまり強く伝わってきませんでした。上映時間は115分とやや長めで、描写の多くが空回りしているように感じられたのも正直なところです。特に牛の首をかぶった子どもの造形は、恐怖というよりもコントのように映ってしまい、場面の緊張感を削いでいたように思います。

 また、物語の核となるのは「双子を口減らしにする風習」と、その犠牲になった者たちの恨みや、捨てた側の罪悪感なのだと思いますが、現代の主人公たちが過去へ入り込み、捨てられた子どもを目撃したり、逃げ惑う構成は複雑さが先立ち、感情の流れに寄り添うのが難しかった印象です。怖さも感動も希薄で、どう受け止めるべきか迷う時間の方が長く感じられました。

 ホラー映画に求めるものは人それぞれかもしれませんが、私としては恐怖や物語の説得力に欠け、長さが気になる作品だったというのが率直な感想です。

鑑賞日:2022/10/22 Amazonプライム・ビデオ

監督清水崇 
脚本保坂大輔 
清水崇 
出演Koki, 
萩原利久 
高橋文哉 
芋生悠 
大谷凜香 
莉子 
松尾諭 
堀内敬子 
田中直樹 
麿赤兒 
タイトルとURLをコピーしました