ドラマ【高い城の男 シーズン2】感想(ネタバレ):ジョーの秘密と日本の陰謀

The Man in the High Castle season2
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●こんなお話

 レジスタンスから追われてドイツに亡命する主人公だったり、自分の息子が難病で公にならないように隠そうとするナチスの将校だったり、父親がナチスの偉い人だったことがわかる人だったり、ヤクザと揉める人だったり、独日で戦争を回避させようと頑張る憲兵隊だったり、別次元の世界に旅する日本人だったりの話。

●感想

 前シーズンのラストシーンから引き続き、物語はジョーの脱出直後から始まります。船員たちに脅され、レジスタンスに引き渡されそうになるも、ジョーは必死に説得を試みます。しかし迎えに来た者たちは容赦なく皆殺しにし、その残虐な光景にジョーは言葉を失います。物語の核心に迫ると、ジョーがナチスの首相ホイスマンの息子であることが明らかとなり、その背景が物語に深みを与えています。

 一方で、日本の皇太子狙撃事件の犯人として逮捕されたエドを救出しようと奮闘するフランクの姿も描かれています。彼はヤクザと交渉し、複雑な人間関係の中でエドを救出。救出後もヤクザとの関係性をどうするかに悩み、憲兵隊との微妙な駆け引きも繰り広げられます。最終的には憲兵隊がヤクザの親分を殺害する展開となり、緊張感が高まります。フランクはレジスタンスの仲間と共に日本を追い詰めるためのテロ計画を進め、憲兵隊本部に爆弾を仕掛け、強硬派の小野田将軍の殺害に成功します。

 ジュリアナの物語も見逃せません。彼女は「高い城の男」と会い、その後憲兵隊に追われながらナチスに亡命します。ナチス帝国の厳しい監視下で暮らす中、ジョン・スミス大将の息子が難病であることが判明し、その秘密が暴かれるかどうかの緊迫した状況が続きます。

 また、日本が原爆を開発していることが判明し、フランクは爆薬を手に日本の将校がいる建物の爆破を試みます。別の視点では田上が別世界でキューバ危機やビキニ水爆実験のニュースを知り、幸せな家庭を築く姿が描かれ、彼の知らない世界を旅するような展開となっています。

 ヒトラーの死去後、日本の暗殺行為をきっかけにハインリヒ総統代理が日本に対して攻撃を決定。日本も水爆実験を行っているというフィルムを持つジョン・スミス大将は、戦争回避のためハインリヒの暴走を阻止しようと奔走し、内部抗争が繰り広げられます。

 物語はさらに複雑に絡み合い、ジュリアナが妹の父親であるスミスの息子の難病を公表しようとする動きを阻止し、殺害にまで及びます。結果としてスミスはベルリンに無事赴き、日本が水爆を保有している証拠のフィルムを総統に提示。総統は反逆罪で逮捕され、ジョーも捕まります。一方でスミスの息子は自ら難病を公表し病院に向かい、その姿に母親は涙を流します。

 ジュリアナと「高い城の男」の再会シーンでは、ナチス高官の息子の人間性に触れ、難病公表阻止のための殺害劇の背景やスミス大将が戦争阻止に尽力し結果として戦争が回避されたという展開が語られます。さらに、死んだと思われていた妹が現れ、物語は新たな展開を迎えます。田上の元には多数のフィルムを携えたレジスタンスが現れ、物語は終盤へと進みます。

 多くのエピソードが同時に進行し、テンポの良さが際立つ全10話のセカンドシーズンです。ケイリー=ヒロユキ・タガワさんの落ち着いた演技も非常に印象的で、物語に深みを添えておりました。

☆☆☆☆

鑑賞日:2022/07/04 Amazon・プライム・ビデオ 2023/11/28 Amazon・プライム・ビデオ

製作総指揮リドリー・スコット
フランク・スポトニッツ
原作フィリップ・K・ディック
出演レクサ・ダヴァロス
ルパート・エヴァンス
ルーク・クラインタンク
ケイリー=ヒロユキ・タガワ
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