●こんなお話
何やら禁断の書高の書物を巡ってみんなで奪い合う話。
●感想
CGを駆使した幻想的な世界から物語が始まります。主人公と少女が謎の怪物に追われるシーンからスタートし、スペイン語で会話を交わしながら逃走。目の前に現れる光り輝く書物を守ろうとする中で、大規模な戦闘が展開され、少女が時空の裂け目に飲み込まれてしまいます。そこから、主人公が目を覚ます…という導入でした。
1作目のヒロインが結婚式を挙げるということで参加していた主人公が、街中で巨大なオオダコのような怪物の襲撃に遭遇。その最中に夢に出てきた少女と再会し、助けるという展開へ。ここでの怪獣バトルは非常に迫力があり、個人的には映画全体で最もエンタメ性の高いアクションシーンだったと感じました。
少女を保護するために寺院に連れていき、助けを求めたのはワンダヴィジョン。しかし、彼女が知らないはずの情報を口にしたことで、実は彼女こそが少女を追っている張本人であると発覚します。彼女は自らの息子たちと幸せに暮らすため、少女の能力を欲していたのです。
そこからは寺院でのバトル、別次元に飛ばされた主人公のサバイバル、そしてワンダが主人公を追う展開が続きますが、説明セリフが多く、情報提供のためだけの会話シーンが続くため、どうしても退屈に感じる時間が増えてしまいました。知らない固有名詞も頻出し、話に集中するのが難しい場面も多かったです。
また、冒頭で死亡したストレンジの身体を操ってゾンビとして蘇らせる展開も、なぜそのような手段に至ったのかが分かりづらく、視聴中に置いていかれる印象を受けました。さらに、別次元のヒーローチームが突然登場し、すぐに退場してしまう流れにも感情が入り込めませんでした。
物語の構成としては、敵が暴れ、主要キャラクターたちが逃げる、という流れの繰り返しが中心で、セリフで説明されるドラマパートの多さも相まって、全体的に感情移入しづらかったのが正直な感想です。
主人公と少女の絆も深まりが唐突に描かれており、感動的な演出もどこか表面的に感じられました。CGによる映像表現は美麗で楽しい反面、目がチカチカするような過剰さもあり、見せ場が逆に薄れてしまう場面もありました。
約120分の上映時間は、やや長く感じられる構成で、全体的には退屈な印象の残る一本でした。
☆☆☆
鑑賞日:2022/05/17 TOHOシネマズ日比谷 2024/01/19 Disney+
監督 | サム・ライミ |
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脚本 | マイケル・ウォルドロン |
出演 | ベネディクト・カンバーバッチ |
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エリザベス・オルセン | |
ベネディクト・ウォン | |
レイチェル・マクアダムス | |
キウェテル・イジョフォー | |
ソーチー・ゴメス | |
マイケル・スタールバーグ |