映画【シン・ウルトラマン】感想(ネタバレ):怪獣×異星人×人類の未来を描く特撮エンタメ

Shin-Ultraman
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●こんなお話

 日本に現れる巨大不明生物と戦う光の巨人や人間たちの話。

●感想

 怪獣が頻繁に現れる日本を舞台に、怪獣対策を担う政府機関のメンバーたちが活躍する物語です。透明で電気を吸収する怪獣の出現と、それに対応する主人公たちの奮闘から始まります。初っ端から世界観を説明するテロップが高速で表示され、読ませる気がないような演出には少々困惑しました。

 怪獣出現の混乱のなか、ドローンに子どもの姿が映ったことで「自分が助けに行きます」と主人公が飛び出す展開になりますが、その行動には唐突さが否めず、やや不自然に感じました。ちょうどそのタイミングで空からウルトラマンが登場。怪獣を撃退する中で主人公は衝撃波に巻き込まれます。

 その後も様々な怪獣が登場し、ウルトラマンがそれを迎え撃ちます。放射性物質を扱うような設定も登場し、戦い方に配慮が感じられた場面もありました。一方で、会話や状況説明は登場人物の台詞でなされ、昭和の格闘漫画のような古風な演出が目立ちました。

 中盤からは、外星人による干渉が強まり、ニセウルトラマンの登場、人類との条約締結を巡る駆け引き、さらには人間を巨大化できるという高等技術をもった異星人の出現といったエピソードが連続します。ただし、それぞれの話は短編的で繋がりが希薄なため、テレビシリーズであれば感情移入しやすかったかもしれません。

 メフィラス星人との交渉劇では難解なセリフの応酬が続き、やや退屈に感じられました。また、クライマックスに登場するゼットンとの戦いは、タイムリミットの演出が曖昧なため緊張感に欠け、戦闘の展開も冗長に感じました。

 人間と融合したウルトラマンとしての主人公が社会の中でどこか異質な行動をとる様子や、新たにバディとなる女性とのやり取りにも見どころはありましたが、2人の関係性や感情の描写が浅く、物語に深みが出るまでには至っていません。

 さらに、2022年の作品であるにも関わらず、女性キャラクターの描き方や電話応対の古臭さが目立ち、時代錯誤に感じられた部分もありました。

 特撮パートも序盤は迫力がありましたが、後半に進むにつれて似たような演出が続き、見応えが徐々に薄れていった印象です。ゼットンとの最終決戦も、もう一押しの盛り上がりがほしかったというのが率直な感想です。

☆☆☆

鑑賞日:2022/05/14 シネマサンシャイン平和島 2022/11/20 Amazonプライム・ビデオ

監督樋口真嗣 
脚本庵野秀明 
出演斎藤工 
長澤まさみ 
西島秀俊 
有岡大貴 
早見あかり 
田中哲司 
山本耕史 
岩松了 
嶋田久作 
益岡徹 
長塚圭史 
山崎一 
和田聰宏 
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