●こんなお話
太平洋戦争前後の石油会社の社長さんの一代記の話。
●感想
石炭の時代にいち早く石油の未来を信じて、小さい会社で社員たちをリストラせずに大きい会社と立ち向かって困難に打ち勝って、どんどんと大きくしていくというエピソードが次から次に展開されていって140分という長い上映時間でしたが、テンポが良いので飽きずに見ることができました。
ただ1つ1つのエピソードが軽く感じてしまって、それほど熱くなれる映画でもなかったです。ラジオを作ろうとなって、銀行がお金を貸してくれない。銀行を説得するために目の前でラジオを直す。そしたらさっきまで嫌味いっぱいの銀行の人が手のひらを返して褒め称えていい笑顔になったり。外国の石油は寒さに弱いとなって、自分たちは寒さに強い石油を作ろうとなって、すぐにそれが開発できちゃったり。なぜ彼らが作ることができて、他の会社では作ることができなかったのかとか違いがわからなかったです。それに外国の燃料を使っていると火事が起きると主人公たちが予言していて、それが的中したらめっちゃ喜ぶというのはいかがなものかとか思っちゃいました。他人の不幸を喜んでいるように見えちゃいました。誰もやりたがらない石油タンクの汲み取りのエピソードもどれだけ大変でなぜそれをやるのかとか、クライマックスでイランの石油を運ぶミッションもイギリス海軍との攻防もあっという間にイギリス海軍が諦めちゃって、一体何の話だったのかと肩透かしで終わってしまいました。ヒロインの綾瀬はるかさんとのキャラクターもあっという間に退場して、それでいて主人公が最後に思い出すのが彼女で、2人の恋愛ものとしての魅力もダイジェストに見えて盛り上がることができなかったです。
なぜ、みんなが主人公についていこうと思えるリーダーなのか。冒頭で主人公に投資をしている老人が「金は貸したんじゃない。あげたんや」とそこまで言える人物だったのか。撃沈されるかもしれない仕事を受けた船員たちが「店主のためだ」となる気持ちになれる人物なのか。そこを魅力的に見せてくれていない映画だと思いました。
☆☆☆
鑑賞日: 2016/12/19 キネカ大森
監督 | 山崎貴 |
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脚本 | 山崎貴 |
原作 | 百田尚樹 |
出演 | 岡田准一 |
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吉岡秀隆 | |
染谷将太 | |
鈴木亮平 | |
ピエール瀧 | |
矢島健一 | |
黒木華 | |
浅野和之 | |
光石研 | |
綾瀬はるか | |
堤真一 | |
近藤正臣 | |
國村隼 | |
小林薫 |
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