●こんなお話
お父さんがいなくなったので探していたら、お父さんがとんでもないことやってた話。
●感想
お父さんが万引きで捕まってスーパーに謝りに行く娘。お父さんと帰宅してる最中に「懸賞金がかかった指名手配犯を見た」と語った翌日に姿が消えて探し始める。
何もも知らないで見ると物語のジャンルが横断していく展開に引きづりまわされてどこに連れていかれるんだろう? という面白さや同じシーンで視点が変わるなどの編集の面白さがある映画でした。そのため1度目は意外性で楽しめる1本でかつ2回3回見てもしっかりと父子の関係、夫と妻の関係、またシリアルキラーの怖さ、ハラハラドキドキなどもすべてしっかりと描いていて楽しめると思います。
最初見たとき主人公が使う携帯がガラケーだったり、映ってる関西の景色や人物から勝手に昭和か平成かと思っていたら普通にテロップで令和と出て、ついこないだの出来事というのが驚きでした。
ただ120分という上映時間が長く感じてしまいました。1つ1つをじっくりと描いていくのが興味が持てないと退屈に感じてしまって、主人公の娘さんが父親を探すために男の子の協力を得る為におっぱいを見せる見せないというくだりとかあそこまで長く感じましたし、一緒に協力して捜索するのかと思いきや、あっさりと離島へ行って真相へ近づいっちゃってバディものとして進む同級生2人の時間をもう少し記号的にあっさりと飛ばしてもいいのではないかと感じました。
父親が奥さんの介護施設で出会った青年と秘密を共有していくサスペンスになっていって、そこからどう逆転するのかという面白さ。サイコ犯が性欲で殺人をするという描き方とかは単純すぎなのではないか、それでいいのだろうかとか、ちゃんと生きるのが辛くて死にたいと思っている人を本気で助けようとする人物とかのほうがよかったのではないかと個人的に考えてしまったりしました。離島で会う老人もいきなりアダルトビデオを紹介してきたりして、それはサイコ犯が見ている主観や妄想の映像なのか現実なのか戸惑う演出でした。
1つ1つじっくりと描いてよく言えば丁寧、悪く言えば鈍重に感じてしまう映画でヘヴィーでずっしりな映画で見終わった後はどっと疲れる作品でした。
☆☆☆
鑑賞日:2022/02/02 川崎チネチッタ
監督 | 片山慎三 |
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脚本 | 片山慎三 |
共同脚本 | 小寺和久 |
高田亮 |
出演 | 佐藤二朗 |
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伊東蒼 | |
清水尋也 | |
森田望智 | |
石井正太朗 | |
松岡依都美 | |
成嶋瞳子 | |
品川徹 |