ドラマ【フィアー・ザ・ウォーキング・デッド シーズン5】感想(ネタバレ):モーガンの変化と敵対勢力の登場で分かれる評価

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●こんなお話

 主人公たちが人助けをして、いろんな人と出会ったり。異なる考え方の人助けグループと対峙したりするシーズン。

●感想

 物語は飛行機が墜落して大ピンチというところから始まり、無線で連絡を取り合ってきた人たちと実際に出会っていく流れ。けれど、その中で考え方の違いが見えてきて、トラブルが起きることもしばしば。ただ、毎話ごとに無線や道に残されたメッセージをきっかけに新しい人物と出会い、その人物にスポットを当てた45分のストーリーが展開されていく構成になっています。

 後半になると、新たに登場するグループとの敵対関係が描かれていき、いよいよ物語が大きく動き出す気配を見せる。ただ、正直に言って16話も必要だったのか疑問に思います。話数が多すぎて、展開が引き延ばされているように感じた部分も多かったり。主人公モーガンのキャラクターも、以前とはずいぶん違っていて、常に人助けを最優先する姿に少し違和感を覚えました。原発がメルトダウンしそうなところで、それを止めようとする女性と出会い、そこからなんとなく恋愛関係になりそうな雰囲気が出てきたり、メリーゴーランドで笑顔になるシーンなども、どんな気持ちで見ればいいのか少し戸惑いました。

 一方で、ドワイトの登場は嬉しかったです。元々本家のシリーズから来ているキャラクターで、自己犠牲精神を持つ善人として描かれており、頼もしさを感じさせてくれます。射撃の上手な警官とその恋人のコンビも好印象。富豪のストランドが過去を乗り越えて人助けをしようとする描写や、ルーベン・ブラデス演じるキャラが全体を俯瞰するような立ち位置にいるのも良かったです。

 ただし、アリシアが戦うことをやめて絵ばかり描いている姿にはあまり共感できず、キャラクターとしての魅力も薄れていました。また途中から参加する男性キャラもアート作品を残すだけで、積極的に物語を動かすような印象はなかったです。敵対グループの「バージニア」という馬に乗った集団も、主人公たちと最初から対立姿勢で、どちらも人助けを目的にしているのなら、もう少し対話の余地があってもよかったのではと感じました。ローガンという敵キャラも登場するが、名前が似ているキャラが多くて覚えにくかったです。

 戦いの描写も、正直そこまで迫力があるとは言えず、登場人物たちが何を考えて動いているのかがわかりにくいです。物語の方向性も曖昧で、視聴していてもどこに向かっているのか掴みにくい印象でした。結婚式を祝うシーンなどもありますが、その前に戦いや緊張感の演出をもっと重視すべきだったのではないかと思いました。

 物語の終盤では、主人公たちがバージニアのグループに降参し、バージニアがなぜかモーガンを殺そうとする。そこで負傷したモーガンのもとにウォーカーたちが近づいてくるというクリフハンガーで終了。続きが気になる終わり方ではありました。とはいえ、ずっと無線やカメラに向かって語るシーンが多く、燃料や物資など現実的な部分も気になったり。全体的に会話で物語を引っ張る構成が多く、もう少し緊張感のある展開や明確な目的が欲しかったです。

☆☆

鑑賞日:2021/12/31 Amazonプライム・ビデオ 2023/09/07 Amazonプライム・ビデオ

出演アリシア・デブナム・キャリー
レニー・ジェームズ
メルセデス・マソーン
コールマン・ドミンゴ
マギー・グレイス
ダナイ・ガルシア
ジェナ・エルフマン
ギャレット・ディラハント
ルーベン・ブラデス
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