●こんなお話
アンジェリーナ・ジョリーが冒険する話。
●感想
ギリシャで大地震が発生し、それによって月の神殿という伝説の遺跡の場所が判明。主人公はその謎を追って遺跡へ向かい、神殿で不思議な珠を発見する。しかしそこへ謎の襲撃者たちが現れ、仲間が命を落とすアクション展開に。命からがら脱出した主人公は、サメを殴って撃退しながら3日間海を漂流し、奇跡的に救出されるという怒涛の幕開け。
続いてMI6からの指令で、人類を滅ぼしかねない「オタカラ」の取引が、ノーベル賞受賞者の科学者と香港マフィアの間で行われようとしているという情報が入り、それを阻止せよとのミッションを受ける。捕まっている元恋人を解放し、協力者としてともに中国へ向かう。
香港ではあえてマフィアに捕まり、激しいバトルの末に珠を象ったメダルを入手。だが、残る珠はすでに上海へ向かっており、敵と科学者が交渉を進めている。主人公たちは現場に突入してその場を混乱に陥れるが、敵はヘリで逃走。だが主人公は巧みに追跡装置を仕掛け、執念深く追い続ける。
その後、香港のショッピングモールに潜入し、敵が「オタカラ」の解析を進めている場面に突入。解読中に捕まるが、元恋人の助けで命拾いし、ビルからムササビスーツで大胆に脱出。しかし、恋人に裏切りの疑いが浮上し、主人公は一人でキリマンジャロへ向かうことを決意。
秘書を人質に取った敵も追ってきて、アフリカの部族の協力を得ようとするも、反発を受けつつ戦いの渦に巻き込まれる。やがて巨大な石のゴリラのような怪物と対決しながら、ついに異次元へとつながる古代遺跡にたどり着く。珠を木にはめることで異空間に落下し、ついに「パンドラの箱」と対面。だがカタキ役は酸の沼に落ちて溶け、欲に駆られたパートナーも主人公に射殺され、箱は再び酸の沼に沈められて物語はおしまい。
一見、テンポ良く展開しているようで、実はすべての展開が偶然やご都合主義で解決してしまうのが問題で。手を縛られていたのに、敵が振り下ろした刀でいとも簡単に縄を切ってしまったり、逃げた先に偶然パラシュートが用意されていたり、そのまま降り立った場所に偶然味方の船が停まっていたりと、説得力がない展開が続く印象でした。
カタキ役たちがどんな場所でも瞬時に主人公を追ってくるのも不自然に思えたり、クライマックスの怪物との戦いも倒し方がよくわからず、たまたま勝てたような描写で盛り上がりに欠けました。何より「パンドラの箱」の正体が早々に明かされてしまっているため、サスペンス性も弱く、宝探し系アクションの醍醐味を味わうには物足りなかったです。
アクションシーンそのものは多めに盛り込まれており、テンポはそれなりに速いのに、それを活かしきれていない印象。せっかくの設定やスケール感を、もう少し緻密な脚本で活かせていれば違った評価になったかもしれないと感じる作品でした。
☆☆
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