映画【縄の呪い2】感想(ネタバレ):台湾の魔除け信仰が彩る個性的なホラー!ユニークなヴィジュアルとスピリチュアルな世界観

The Rope Curse 2
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●こんなお話

 タイの悪鬼に苦しめられる人たちの話。

●感想

 導師たちが麻薬業者が悪鬼に襲われている現場に駆けつけ、除霊を試みるが師匠が逆にやられてしまうシーンから物語が始まる。一方で、ユーチューバーと一緒にバイトで心霊スポットを訪れる主人公も登場し、そこで不思議な恐怖体験をする。そこに霊能者である導師が現れ、主人公を助ける。

 主人公は自分が霊能体質であることを告げ、導師に救いを求めるが、断られてしまう。そんな中、麻薬の運び屋だった主人公の叔父が自殺。ショックを受けたアーイーの様子がおかしくなり、連続首吊り事件が悪鬼の仕業と判明。導師は除霊の儀式を行うが、警察から「証拠品を捨てるな」との指示で儀式は途中で中断されてしまう。

 アーイーは次第に悪鬼に憑依され、主人公は大きなショックを受ける。導師が再び助けに入り、除霊の方法を教えるが、アドバイス通りに動かず失敗。アーイーは入院することになる。

 悪鬼は多くの人間を呪い殺し、復活を目論んでいたことが明らかになる。アーイーが病院から抜け出すと、主人公は彼女を追いかける。廃病院のような場所で主人公と導師が互いに憑依されたり襲われたりしながら、最終的に主人公が剣で憑依された導師を刺し、悪鬼を退治することに成功する。主人公はその後、別の導師の見習いとして成長を誓っておしまい。

 物語の中心には台湾の魔除けの信仰が描かれ、関羽将軍のような衣装をまとい、ジャンジャンと音楽を鳴らしながら進む行進のヴィジュアルがユニークで印象的でした。民間信仰や台湾文化に興味があれば楽しめる要素が多いと思います。

 ただ、呪われた人や憑依された人たちが目を掻きむしる怖い表情と奇妙な声を繰り返す恐怖表現が多く、パターン化していて中盤以降は少し退屈に感じる部分もありました。主人公の女性が呪いに立ち向かう動機もあいまいで、アーイーの行動がなかなか理解できなかったです。首を吊ろうとしたり相手を吹き飛ばしたりと、何をしたいのか飲み込みにくいところもあったり。

 導師も最初は飲んだくれでやる気がなさそうだったのに、急にやる気を見せたり、主人公に呪文を教えてあとは本人次第と突き放すような態度で、その心情がわかりにくいです。悪霊の強さや弱さも曖昧で、クライマックスで主人公が即席で習った呪文で悪鬼を吹き飛ばす展開にはやや戸惑いが残りました。

☆☆

鑑賞日:2023/08/12 NETFLIX

監督リャオ・シー・ハン
脚本サイモン・マー
出演リー・カンション
ウィルソン・スー
ヴェラ・チェン
ヤン・チャンクオ
チャン・ボージョン
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