●こんなお話
認知症によって記憶が混乱していく話。
●感想
ほとんど主人公の主観で話が進んでいって、タイムリープものかのようなさっきと同じ会話同じシチュエーションになったりして観客を混乱させる構成に当然のアンソニー・ホプキンスのお芝居力でほとんど家の中から画面が動かず、さらにストーリーというストーリーもそれほどないのに会話劇だけで100分間引っ張るのはさすがでした。
主人公の家に娘さんがやってきて介護人が出ていったことに対して話を始めて、自分は恋人ができたのでパリに行くこと、新しい介護人を雇おうかどうかの会話をする。知らない男性がいて娘の旦那だと名乗りずっと住んでいると話したり、新しい介護人の面談で2人目の娘に似ていることを話したり。このときのさっきまで嬉しそうに話していたのが急に罵倒を始めたりするときの気まずさったらないです。さらには自分の家だと思っていたけど娘の家に来ているらしい。さらに旦那さんの顔が変わったりと役者さんが入れ代わり立ち代わり替わる演出も舞台劇が原作らしい面白さでした。
さっきまでの映像会話が正しいのか主人公も見ている観客も信じられなくなっていくショックさで見せていく面白さがありました。
アンソニー・ホプキンスやオリヴィア・コールマンのお芝居を堪能できる作品ですが、ひたすら会話劇で個人的には退屈に感じるところもありました。
こういう老後は誰にでも訪れるもので明日は我が身と見てしまって、自分も息子とかに「いつまでイライラさせるんだ」とぶん殴られるのかなといたたまれない気持ちになる1本でした。
☆☆☆
鑑賞日:2021/05/25 TOHOシネマズ川崎
リンク
監督 | フロリアン・ゼレール |
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脚本 | フロリアン・ゼレール |
クリストファー・ハンプトン | |
原作 | フロリアン・ゼレール |
出演 | アンソニー・ホプキンス |
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オリヴィア・コールマン | |
マーク・ゲイティス | |
イモージェン・プーツ | |
ルーファス・シーウェル | |
オリヴィア・ウィリアムズ |