映画【滑走路】感想(ネタバレ)

kassouro
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●こんなお話

 中学のときのいじめを発端にした喪失や再生の話。

●感想

 中学生がいじめを止めたら今度は自分がいじめられ始めて大変なことになったり、厚生省の官僚が自殺した同い年を調べるうちに自分の悩みが明らかになったり、切り絵作家が旦那さんとの間に子どもを作るか作らないかで悩んだりしていって…。

 全くバラバラの話がしだいに繋がっていって過去に何があって現在どう生きているのかというのがわかる構成で後半になるにつれて面白さが増していく話でした。

 ただ好みの問題ですが、重たいテーマを描いていて演出も重たいののと厚生省の役人さんのパートが単純にお話として面白くなくて120分が長く感じました。明らかに上司のプレッシャーに押しつぶされて仕事に疲れ切った状態の中、自殺した同い年について調べていく。この時、一瞬だけ登場する染谷将太さんが足を引きづっているのとか何の意味があったのかわからなかったです。水川あさみさんと水橋研二さんが話しているときに地震みたいなことが起こる演出とかも読み解くのが難しかったです。

 話が何の説明もなくバラバラと描かれていくだけで雪だるま式に面白くなっていくわけでもなく、串団子のようなバラバラの話で主人公たちがベッドで泣いて落ち込むというのが繰り返されるので、ひたすらどんよりします。水川あさみさんが道に迷ったとき子どものお芝居が最高であの子役がこの映画のベストアクトでした。

 厚生省の役人さんだけ現在がわからず、友人のお母さんに「生きなさい」と涙の訴えを聞いた後、現在は何をしているのか気になる構成でした。自殺やいじめをたくさん描いた作品は多く作られたと思いますが、その他の作品と何が違うのか特色がわからない映画でした。

☆☆

鑑賞日:2020/12/09 チネチッタ川崎

監督大庭功睦 
脚本桑村さや香 
原作萩原慎一郎
出演水川あさみ 
浅香航大 
寄川歌太 
木下渓 
池田優斗 
吉村界人 
染谷将太 
水橋研二 
坂井真紀 
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