映画【カンフー・パンダ】感想(ネタバレ):師弟の絆と成長の物語!カンフーアニメの傑作が贈るユーモアと感動の90分

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●こんなお話

 龍の戦士伝説を信じるパンダがカンフーを学んで頑張る話。

●感想

 物語の始まりでは、「マスターファイブ」と呼ばれるカンフーの達人たちが登場し、街の人々の憧れの存在として描かれます。そして、刑務所に収監されている伝説の悪役カンフーファイターが脱獄するというシーフー老師の予言があって、刑務所に警告の使者として鳥が向かいますが、その羽根がきっかけとなり、ついに強敵が脱走。無敵の存在として自由の身となり、街へ向かいます。

 一方、龍の戦士を選出する神聖な儀式に見学者として参加していた主人公は、思わぬアクシデントからその「龍の戦士」に選ばれてしまいます。マスターファイブの面々はもちろん、シーフー老師さえも納得せず、主人公に対して冷たい態度を取り続けます。過酷な修行では心が折れそうになり、逃げ出そうとする場面も描かれますが、逃げられず再び向き合う決意する。

 やがてシーフー老師は、主人公が「食べ物」に対して異常な集中力と反応を示すことに気づき、それを活かした独自の修行を施していきます。その修行パートはユーモアとテンポの良い演出が光り、主人公が徐々に力を身に付けていくモンタージュ演出も非常に効果的だと思いました。

 その頃、街に向かっていた悪役のカンフーファイターを止めるべく、マスターファイブが立ち向かいますが、圧倒的な力の前に敗北を喫します。事態は緊急を極め、街の人々を避難させた後、シーフー老師が1人で悪役と対峙。そして物語のクライマックスでは、ついに主人公が真の龍の戦士として現れ、壮絶なバトルの末、見事悪役を打ち破る。

 偶然の選出から始まった物語が、師弟関係の成長と、主人公自身の気づきによって真のヒーローとして花開くまでの過程が感動的に描かれており、王道ながらも丁寧な展開と美しいアニメーションが際立っていました。

 特に印象的だったのは、シーフー老師自身が苦悩を抱え、主人公を受け入れることに葛藤していた姿です。カンフー映画にありがちな「最初から偉大な師匠」ではなく、人間的な弱さを持つ師匠像が描かれていた点も作品の深みを増しています。

 アクション面でも見どころ満載で、冒頭の脱走不可能な刑務所からの脱出劇や、マスターファイブと悪役との吊り橋でのバトルシーンなど、アニメーションならではのスピード感と迫力に満ちた演出が光ります。音楽も作品全体を彩るように力強く、テンションを高めてくれる要素として印象に残りました。

 圧倒的な力を誇る敵に対し、物語序盤からの伏線を回収しながら勝利へとつなげていくラストは非常に爽快で、観終わった後の満足感も高いです。約90分という尺の中でテンポよく展開し、全編を通して飽きることなく楽しめる作品でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2008/12/21 DVD 2024/08/20 U-NEXT

監督ジョン・スティーヴンソン 
マーク・オズボーン 
脚本ジョナサン・エイベル 
グレン・バーガー 
出演(声)ジャック・ブラック 
ダスティン・ホフマン 
アンジェリーナ・ジョリー 
イアン・マクシェーン 
ルーシー・リュー 
ジャッキー・チェン 
デイヴィッド・クロス 
セス・ローゲン 
ランダル・ダク・キム 
マイケル・クラーク・ダンカン 
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