●こんなお話
原爆をおそれてブラジルへ移住しようとする老人とそれに困る子どもたちの話。
●感想
確かに仕事も学校も放り出してブラジルへ移住するというのは無理という話で、ましてこの映画の主人公の老人を演じる三船敏郎さんでは変人として描かれて周りが引くという。
けど実際、水爆はあるわけで「何でこんなもの作ったんだ!」と叫ぶ主人公の気持ちもわかりますが。
映画としては、序盤に志村喬さんだけが主人公の気持ちが少しわかる裁判所の調停員という立場からこの家族を見つめる役ですが。序盤で調停の状況を長台詞で説明するところからチト退屈で出だしが失敗してると思いました。
一体、誰の目線で見ればいいのかと思えば。志村喬さん目線で見て行きたいですが、あまり感情に動きがなくて主人公がブラジルの人と移民についての話をしたり、子どもたちからお金を集めたりと無茶苦茶な行動をしていくのを淡々と描いていくだけなので面白さを感じにくいです。
だったら1人で移住すればいいじゃないとも思ってしまいます。
ただ、放射能を極度に恐れて行動する男を、311後を生きる日本人としては見なくてはいけない作品だと思いました。
☆☆☆
鑑賞日:2013/06/13 DVD
リンク
監督 | 黒澤明 |
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脚本 | 橋本忍 |
小国英雄 | |
黒澤明 |
出演 | 三船敏郎 |
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三好栄子 | |
東郷晴子 | |
清水将夫 | |
佐田豊 | |
千石規子 | |
千秋実 |