映画【座頭市 御用旅】感想(ネタバレ)

●こんなお話

　生まれたばかりの赤ん坊をひょんなことから拾った座頭市の話。

●感想

　強盗に襲われた妊婦さんが出産と同時に死んでしまう。それを子どもが目撃して座頭市が殺したと勘違いして「人殺し!」と常に石を投げてくる。
　赤ん坊の父親を捜しに街へとやってくると、その相手はどっかに行ってしまっていて、妹に預けようとするけど兄は借金を抱えているらしい。そこに三國連太郎さん率いるヤクザがやってきて借金の取り立てをして娘たちを借金の肩代わりに売春をさせようとする。さらに祭りが近いので芸人たちを集めて上納金を強制する。そこに主人公がやってきて仕込み杖で脅して上納金を中止にさせる。

　森繁久彌さんは伝説の十手持ちで三國連太郎さんと対立していて、カタキ役の弱い者いじめを止めようとしたり。カタキ役は座頭市に対抗するために用心棒たちを雇って、その中に高橋悦史さんが1人で50人分働くという凄腕がいて、さっそく座頭市とすれ違いざまにやりあうけど相討ちでお互いやるなと認め合う。

　主人公が森繫久彌さんのもとに行って自分に懸賞金がかかってるからその金で借金を返そうと言うけど断る。立ち去る主人公の後にカタキ役たちがやってきて森繫さんを殺害。次男が帰ってきて座頭市の仕業かと怒る。

　主人公はお金を持ってカタキ役のもとにやってくるけど、子分たちがいっぱいやってきてのクライマックスの大立ち回り。御用だ御用だと囲まれるけど、次男坊が座頭市を逃がして終わり。

　話自体は盲目ということでなめてるけど実は強いことにびっくり、といういつもの展開ですが、何と言っても悪役に頬をひくひくとさせる三國連太郎さんに子分に石橋蓮司さん、蟹江敬三さん。森繁久彌さんも渋くてよかったです。強い奴と戦うという目的の浪人に高橋悦史さん。この浪人との戦いはお決まりですが、今回はほとんどストーリーに絡んでこなくて、ここだけ異様な映像になっていて強烈なインパクトでした。

　悪いヤクザたちを皆殺しにしていく座頭市。殺陣は獅子舞をかぶってだったり、悪役たちも油をまいてヌルヌルの中の殺陣だったり。火あぶりにしたりもします。そして燃えながら迫ってくる座頭市がホラーになってしまっているのが怖かったです。
　そしてすべてが終わって高橋悦史さんとの一騎打ち、一瞬で勝負ありの【完】!　っつうスパっと終わる感じが凄いです。

　芸達者な役者さんたちの競演が見られるだけで満足な1本でした。

☆☆☆☆

鑑賞日:2013/11/16 DVD　2023/10/13 U-NEXT