映画【座頭市兇状旅】感想(ネタバレ):冒頭の相撲乱入シーンが圧巻!座頭市の痛快な殺陣と爽快な復讐劇を楽しむ時代劇

Masseur Ichi,The Fugitive
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●こんなお話

 座頭市が賞金首になり刺客に狙われていく。そこにかつて愛した女性と再会するけど、その女性は浪人に寝取られていた。そこにヤクザ同士の縄張り争いがあってとか、もろもろの話。

●感想

 冒頭、相撲大会に乱入する座頭市のシーンから一気に引き込まれました。正直、この映画の最大の魅力はこの序盤のシーンかもしれないと、最後まで見終わって改めて感じました。

 物語全体には殺陣のシーンが多く盛り込まれていて、その迫力や長さから娯楽性はかなり強いです。ただストーリーはやや粗削りで、特に座頭市のかつての想い人が賞金目当てに彼を裏切るという展開は、かなり衝撃的な一面を見せてますが、描写があっさりしていて深みを欠いていると感じます。さらにそのヒロインが浪人に斬られるシーンも引きの画ばかりであっさりしており、恋人喪失の悲哀をもっと丁寧に描いてほしかったところでした。

 ヤクザの描写についても、若い二代目がなよなよしているだけで、キャラクターの魅力や面白味があまり伝わらなかったのが残念。

 とはいえ、ヒロインを殺され激怒した座頭市が50人ほどのヤクザたちを次々と叩き斬っていく場面は圧巻で爽快そのもの。特に鉄砲を持った敵が「俺は絶対に外さない」と豪語しながら全弾外し、普通に斬り合いに参加している場面は思わず笑ってしまうほどユーモラスでした。

 総じて、ヒロインの人物像の描写が浅かったことは惜しいと感じますが、迫力の殺陣や座頭市の痛快な復讐劇として楽しめる映画に仕上がっていると思いました。

☆☆☆

鑑賞日:2013/06/28 DVD

監督田中徳三 
脚色犬塚稔 
星川清司 
原作子母沢寛 
出演勝新太郎 
高田美和 
万里昌代 
成田純一郎 
小林勝彦 
北城寿太郎 
名和宏 
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