●こんなお話
南北戦争時代に先住民のスー族と交流する軍人さんの話。
●感想
3時間の長さがありながらも、物語は非常にテンポよく展開していくため、最後まで退屈することなく鑑賞することができました。
主人公は足を負傷し、切断せざるを得ない治療しか残されていない時代に、自暴自棄な行動をとりますが、結果として英雄となり、最西部の廃れた基地へ向かいます。そこで自ら基地をDIYで整備していく過程が丁寧に描かれており、特にスー族との交流や、馬や狼といった動物たちとの関わりが深く描写されているのが非常に印象的に残りました。
後半に訪れる動物たちの危機の場面では、自然と応援したくなる気持ちが湧き上がり、白人たちに対する複雑な感情も抱くようになりました。この点についても、物語の描き方に深みを感じました。
また、南軍との戦闘よりも自身の手で開拓を進めたいと願う主人公が、白人の先住民と出会い、彼女をスー族に届けたことをきっかけに、徐々に交流が深まっていく様子が自然に描かれております。この交流の流れにより、いつの間にか私たちもスー族の文化や風習を理解し、共感できるような構成になっているのが素晴らしいと感じました。
一方で、白人側のやり方に対する違和感や嫌悪感もリアルに表現されており、特にバッファローをめぐる考え方の相違、毛皮目的なのか神聖なものとして扱うのかという点が明確に描かれています。
個人的には、凶暴な先住民として登場する部族がややあっさりと退場してしまった点が残念に思えましたが、全体として異文化を理解し乗り越えていく過程の感動を描いている作品であると感じました。
☆☆☆☆☆
鑑賞日:2020/07/07 NHK BSプレミアム
監督 | ケヴィン・コスナー |
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脚本 | マイケル・ブレーク |
原作 | マイケル・ブレーク |
出演 | ケヴィン・コスナー |
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メアリー・マクドネル | |
グラハム・グリーン | |
ロドニー・A・グラント |
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