映画【ファイナル・カウントダウン】感想(ネタバレ):空母が第二次大戦へタイムスリップ!歴史を変える決断と葛藤を描くミリタリーSF

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●こんなお話

 アメリカの空母がタイムスリップして太平洋戦争時代に行っちゃう話。

●感想

 アメリカ海軍の航空母艦に、一人の会社員が企業のトップの命令で査察にやって来る。艦長をはじめ乗組員たちは丁寧に迎え入れ、日常の訓練へと出発していく。しかし、突然の謎の嵐に巻き込まれ、無線が使えなくなり、通信も途絶える。旧式の無線から妙な電波を受信したり、時代錯誤な情報が届いたりして、一体何が起きているのか分からない状況に艦内は混乱する。

 偵察機が調査に出され、そこで発見されたのは、なんとヨットを攻撃している旧日本軍のゼロ戦。ヨットの乗員が銃撃を受けて死亡する中、戦闘機がゼロ戦を撃墜。海に漂う生存者を救出したところ、その中にはゼロ戦のパイロットと、なんと第二次世界大戦前に行方不明になった民主党の有力政治家が含まれていた。彼はもし生きていれば大統領候補になっていたかもしれない人物。

 このことで、艦長や主人公たちは「歴史に介入してしまったのでは?」という疑念を抱き始める。最初は現実とは思えず疑っていた艦長も、周囲の状況や証拠をもとに徐々に事態を受け入れていく。一方で、ゼロ戦のパイロットには通訳を通じて事情を聞こうとするが、突然銃を奪われ「責任者を呼べ」と脅され銃撃戦に発展し、パイロットは死亡。

 やがて日本の機動部隊を発見した艦長は、「このまま真珠湾攻撃が起きてしまうなら、歴史を変えてでも介入すべき」と決断。議員を安全な無人島に避難させるが、そこでも彼はヘリを奪おうとして逆に炎上事故に巻き込まれてしまう。結局、無人島には現代から来た海軍の若者と1940年代の女性だけが取り残されてしまう。

 その直後、再びあの謎の嵐が現れ、航空母艦はその中へ突入。気づくと元の時代に戻っていて、社長夫妻のもとへ降り立った会社員は、最後に車で送迎されるんだけど、その運転しているのがまさかの無人島に残された2人だった…というオチ。

 軍事機材の迫力や空母、戦闘機のリアルな映像はかなり素晴らしく、映像だけでも見る価値のある映画だったのは間違いないです。ただ、タイムスリップして近代兵器が太平洋戦争の前夜に到達したという設定の割に、アクション的な見せ場がほとんどないのがもったいなかったです。ゼロ戦とのドッグファイト1シーンは確かに見応えあるけど、あれ一回きり。終盤の日本艦隊との戦いも回避されてしまい、どうしても物足りなさが残ります。

 話の大半は船内で「いま自分たちは何に巻き込まれてるのか」「この議員が生き残ったら未来はどう変わるのか」と会話で進んでいく。せっかくタイムトラベル×戦争という強力な題材があるのに、それを活かしきれてないと思いました。しかも肝心の議員の末路がヘリ爆破って、ちょっと笑ってしまう展開です。

 設定だけはめちゃくちゃ面白いのに、全体的に展開が地味で見せ場が少なすぎると思いました。ひたすら惜しいと感じる映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2012/09/16 DVD 2024/02/08 WOWOW

監督ドン・テイラー 
脚色デイヴィッド・アンブローズ 
ゲイリー・デイヴィス 
トーマス・ハンター 
ピーター・パウエル 
原作トーマス・ハンター 
ピーター・パウエル 
デイヴィッド・アンブローズ 
出演カーク・ダグラス 
マーティン・シーン 
キャサリン・ロス 
ジェームズ・ファレンチーノ 
ロン・オニール 
チャールズ・ダーニング 
ヴィクター・モヒカ 
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