ドラマ【SUMMER NUDE】感想(ネタバレ):山下智久・戸田恵梨香・長澤まさみ・香里奈が織りなす恋愛群像劇

●こんなお話

　失恋したカメラマンとかの話。

●感想

　主人公は山下智久さん演じるカメラマンで、1年前に自分の前から姿を消した女性のことをずっと思い続けていた。彼女の看板を見上げ、2人で観る約束をしていたレンタルDVDを返さず、延滞金を払い続けて借り続けている。そんな極端な行動で彼の一途さを表現していた。

　彼を待ち続けるのが戸田恵梨香さん。物語が進むにつれて、彼の気持ちは次第に戸田さんへと傾いていくように見える。二人の関係が深まるかと思った矢先、長澤まさみさん演じる、彼が長らく想い続けていた女性が再登場し、揺らいでいく関係が描かれる。

　長澤まさみさんの登場は強い印象を残すが、物語の途中で退場する。しかも理由は、自分が失恋して落ち込んでいた時に主人公と出会い元気を取り戻したが、再び呼ばれたので彼の前から去った、というものだった。

　さらに香里奈さん演じるコックが海の家で働くことになり、後半では主人公に対して「もしかして好きかもしれない」と気持ちの変化に戸惑う姿を見せる。こうして登場人物たちはそれぞれ揺れ動き、物語は思わぬ方向へ転がっていく。

　しかし合間に挿入される寸劇は笑いにつながらず、人物たちの悩みも掴みどころがないまま物語は続いていく。全11話を通して描かれたのは、想いを抱える人々が行き交う不思議な関係性のドラマでした。

　拝見していて、登場人物たちの気持ちの揺らぎや行動が唐突に感じられ、感情移入が難しい部分があったのは正直なところです。それでも豪華な俳優陣の組み合わせや、物語の行方を追いたくなる展開の積み重ねには惹かれるものがありました。キャスト同士の組み合わせを楽しむには十分で、場面ごとに意外性を持たせた構成も工夫が感じられました。

☆☆

鑑賞日:2014/02/18　フジテレビ