●こんなお話
サウジアラビアの外国人居住区で自爆テロが発生。FBI捜査官も犠牲になり、FBI捜査官の主人公がチームを編成して、サウジアラビアに乗り込み現地の警察の協力しつつアルカイダとの戦いの話。
●感想
冒頭からいきなり激しい銃撃戦と自爆テロが展開され、開始数分で一気に緊張感が高まる。普通の会話シーンですら、ブレのある手持ちカメラと細かいカッティング編集によって、終始息の詰まるような映像が続き、観る側の心拍数を上げてくれます。
物語の流れは刑事ものとしては王道。現場を観察し、手がかりを地道に積み上げていきながら、少しずつ真相に近づいていくというスタイル。だが、舞台がサウジアラビアという特殊な環境で、捜査に入るための根回し、現地入りしてからも警察の監視下に置かれ自由に動けない不自由さが描かれ、これがリアリティを感じさせるポイントになっていると思います。
そんな中、現地の監視役の警察官との交流を通して生まれる友情、王子の協力を得て少しずつ動ける範囲が広がっていく展開も人間ドラマとして見応えがありました。捜査チームは、テロに使用された爆発物や資材を追いながら、事件の背景に迫っていく。
しかしその途中で、逆にアルカイダ側から襲撃を受けることになり、物語は一気にクライマックスへ。100分という限られた尺の中で、ラスト30分の展開は怒涛の連続。カーチェイスから銃撃戦へとつながるアクションシーンは、音響設計も含めて非常に迫力があり、画面越しでも重低音の衝撃が伝わってくるものでした。
単なるアクション映画としてではなく、復讐の連鎖が止められないアメリカと中東社会との関係性も重層的に描いており、見終わった後にも余韻が残りました。エンタメ作品としてしっかり面白く、それでいてテーマ性も備えた良作だと思いました。
☆☆☆☆
鑑賞日:2014/05/24 Blu-ray
監督 | ピーター・バーグ |
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脚本 | マシュー・マイケル・カーナハン |
出演 | ジェイミー・フォックス |
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クリス・クーパー | |
ジェニファー・ガーナー | |
ジェーソン・ベイトマン |