映画【エイリアン4】感想(ネタバレ):クローンとして甦るヒロインと、新たなエイリアンの脅威

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●こんなお話

 クローンで甦ったリプリーの体内からエイリアン取り出して、相変わらず研究にエイリアンを使おうとしたら、案の定エイリアンに襲撃されて脱出していく話。

●感想

 物語は、前作で命を落とした主人公がクローン技術によって復活し、彼女の体内からクイーン・エイリアンが取り出されるという衝撃の展開から始まります。舞台は再び宇宙。密輸船が軍の研究施設に接近し、何やら裏の取り引きが進行していて、軍人とアウトローな密輸業者たちの駆け引きが描かれていきます。そんな中、密輸船の女性乗組員のひとりが、主人公のクローン誕生について何か知っている様子で、こっそり情報を探ろうとしたことから状況が一変してしまいます。

 一方で、軍によって管理されていたエイリアンたちは脱走に成功。施設内で暴れ回り、人間たちを次々に襲い始めます。クローンとして復活した主人公と、密輸船の乗組員たちは、施設から脱出して自分たちの船まで逃げようとするのですが、道中では次々と仲間が倒れていき、生き延びるための戦いが続きます。

 やがて主人公がエイリアンの巣に連れていかれ、そこで新たな存在――人間の生殖機能を取り込んだハイブリッド・エイリアンが誕生。この新種のエイリアンが、船に乗り込んでまで追ってくるという展開になっていきます。最後は船外に放出される形で危機を乗り越え、地球への帰還。

 宇宙船内の重厚で無機質なデザイン、湿度を帯びた空気感、そして登場人物たちの顔のクローズアップを多用した演出など、映像の力で見せる部分がとても印象的でした。どこか不気味で、それでいて格好よさもある美術と映像のバランスは、このシリーズらしさがしっかりとありました。銃のカスタムや水中アクション、梯子での逃走劇など、脱出サバイバルとしてのアクションも見応えがあり、特に銃弾を反射させて戦うシーンなどはテンションが上がります。

 密輸船の乗組員たちのキャラクター造形も魅力的で、車いすのキャラクターが自作の銃で戦う場面なども痺れる格好良さがありました。彼らのやり取りも自然で、観ていて楽しかったです。ただ、シリーズの中心人物であるリプリーに関しては、今回は少し印象が弱かったかもしれません。序盤ではエイリアンのDNAを持つ異質な存在として描かれ、超人的な力を持つという設定だったのですが、物語が進むにつれてその設定があまり活かされなくなっていくのが気になりました。

 ハイブリッド・エイリアンとの“親子”のような関係性も描かれていて、リプリーが最後に涙を流す場面なども用意されていますが、どこか気味の悪さが先行してしまい、感情としてはなかなか入り込みにくかったです。時間軸も前作から200年ほど先に飛んでいるため、シリーズ全体の流れからするとやや距離を感じる部分もありましたが、それでも100分ほどの時間、ハラハラしながら観ることができるアクション映画としての魅力はしっかりとあったと思います。

☆☆☆☆

鑑賞日:2010/12/20 Blu-ray 2014/11/22 Blu-ray 2023/05/29 Disney+

監督ジャン・ピエール・ジュネ 
脚本ジョス・ウェドン
出演シガニー・ウィーヴァー 
ウィノナ・ライダー 
ドミニク・ピノン 
ロン・パールマン 
ゲイリー・ダーダン 
マイケル・ウィンコット 
キム・フラワーズ 
ダン・ヘダヤ 
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