●こんなお話
偶然と想像で転がる3つの話。
●感想
1.魔法(よりもっと不確か)
路上で撮影しているモデル一行。仕事が終わってモデルさんとヘアメイクさんがタクシーの帰り道、延々とモデルさんがこないだ出会った男性の話をして10何時間も一緒に話をして盛り上がった話を長回しでします。
この冒頭から一体知らない人の恋愛話を一体何分聞かされるのだろう? と結構つらい時間でした。
その後、モデルさんは帰りヘアメイクさんが今来た道をタクシーで戻って、ある会社へ入っていく。そこにいる男性社長に話を聞きに来て、どうやらその男性はヘアメイクさんの元カレであり、さっきタクシーで話していたモデルの相手だとわかっていきます。
ここの長いこと知らない男女が付き合う付き合わないを延々と喋っていて、何を見せられているんだろうと能動的に受け止めるために超集中で見る疲れる時間でした。男性が「早く出てけよ」と言ってもなかなか出ていかないヘアメイクさんというのもなぜ出ていかずに会話が続くのだろうと早く終わらないかな? というシーン。
その後、モデルさんとヘアメイクさんがお茶をしていてそこに偶然男性が通りかかって3人が交わる。どっちを選ぶのかと迫るヘアメイクさん。モデルさんは飛び出し男性も飛び出し涙するヘアメイクさんと思いきや…。
ちょっと早く終わらないかな? という短編でした。
2.扉は開けたままで
若者たちがディベートみたいなことをしていると隣の部屋から大きい声が聞こえてきて男性が土下座していて机に座った男性が突き放している。
その後、土下座していた男性の部屋に女性がやってきてセックスする。どうやら女性が他の女性たちから煙たがれていて、女性は子供もいて年齢が行ってから大学に入って勉強しなおしたことがわかってくる。テレビでは冒頭、机に座っていた男性が芥川賞を獲った報道がされていて、彼に復讐したい男性。女性をハニートラップを仕掛けようと話す。
何でハニートラップなんだと感じる急展開の中、女性が賞を獲った教授の部屋へ行きファンであることを話、小説にサインをもらい好きな一節を読むという。このポルノ表現を読むというのも結構長くて拷問の時間でした。教授は女性の声を録音してメールでほしいと頼む。女性は自宅から録音データを送ろうとするけど慌てている間に送信ボタンを押す。その後、通勤帰りの女性に若者が声をかけてその後の顛末が語られていきます。
この話も大学教授の部屋での下りが長くてただただ退屈でした。
3.もう一度
仙台で同窓会が開かれていて女性がぽつんと1人でいる。盛り上がらずに1人でホテルに帰る。仙台駅前のエスカレーターですれ違いざまに主人公が会いたかった女性と再会して声をかけて、彼女の家に聞くことに。仙台駅前から徒歩10数分の住宅街へ行き彼女の家に行く。
そこで会話をするうちにどうやら思っていた人物と違うぞとなってきて、その会いたかった人間のふりをするからということになり、彼女に対して思いを打ち明ける。そして帰り道にまた思いのたけを話してお別れ。
このエピソードが1番頭に入ってこなくて、特に家に行ってから何を話しているのかついていけなかったです。
単純にアート映画を飲み込めないだけで好みの問題だとは思いますが、正直、知らない人たちが知らない会話をしているのを見ても何の心が動かされることもなく、一体何の時間なんだろう? と哲学のような気持ちになる1本でした。
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鑑賞日:2022/03/08 キネカ大森
監督 | 濱口竜介 |
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脚本 | 濱口竜介 |
出演 | 古川琴音 |
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中島歩 | |
玄理 | |
渋川清彦 | |
森郁月 | |
甲斐翔真 | |
占部房子 | |
河井青葉 |