●こんなお話
吸血鬼一族と狼男一族の戦いがまだまだ続いている話。
●感想
ヴァンパイアとライカン(狼男)たちの、人間には知られざる闘争が続くアンダーワールドの世界――。これまでシリーズが描いてきたのは、まさにその「裏の戦い」でした。しかし今作は、まさかのオープニングで人間たちにライカンたちが殲滅される衝撃シーンからスタート。これまでと異なり、人類との戦いという新たな軸が提示され、一気に緊張感が高まります。
ケイト・ベッキンセイル演じる主人公セリーンは、今回もタイトなボンテージコスチュームに身を包み、二丁拳銃で敵を圧倒するスタイルは健在。アクションシーンのキレはシリーズ随一で、「この90分は彼女のアクションを見るためにある」と言っても過言ではありません。
物語は、セリーンが人間に捕らえられ、ある研究施設に監禁されている場面から始まります。そこでは、ヴァンパイアとライカンのハーフである少女が重要な存在として扱われており、各勢力が彼女を巡って争奪戦を繰り広げます。
ただし、「なぜこの少女だけが狙われているのか?」「一緒に捕らえられた同じくハーフのライアンはどうして対象外なのか?」といった疑問が作中では説明されず、やや観客を置いてけぼりにしてしまうのが残念なところでした。
クライマックスでは、セリーンが“最強のライカン”との戦いに挑みます。派手な戦闘は見応えがありますが、決着のつき方に「なぜ勝てたのか?」という説得力がやや乏しく、セリーンというキャラクターの経験や特異性があまり活かされていなかった印象です。ただ“主人公だから勝った”と見えてしまう点で、感情の盛り上がりが抑えられてしまいました。
とはいえ、全体としてはまだまだ序章的な雰囲気を感じさせる作品で、シリーズの次回作へとつながる大きな展開が用意されている印象。さらなるスケールアップが期待される、次回への布石となる1作です。
☆☆☆
鑑賞日:2012/02/25 TOHOシネマズ南大沢
監督 | モンス・モーリンド |
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ビョルン・スタイン | |
脚本 | レン・ワイズマン |
原案 | レン・ワイズマン |
出演 | ケイト・ベッキンセイル |
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スティーヴン・レイ | |
マイケル・イーリー | |
テオ・ジェームズ | |
インディア・アイズリー | |
チャールズ・ダンス |