ドラマ【トレッドストーン】感想(ネタバレ):世界中を舞台にした壮大な群像劇――無音格闘シーンが光る緊迫感あふれる全10話ドラマ

Treadstone
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●こんなお話

 セミ計画なるものを巡っての世界中のスパイとかの話。

●感想

 本作は、そのスケールの大きさに圧倒される作品であり、アメリカ、ロシア、北朝鮮をはじめとする世界各地を舞台に、同時進行で群像劇が展開されます。多彩なキャラクターたちの物語が複雑に絡み合う構成となっております。

 特に印象的なのは、毎話必ず登場するジェイソン・ボーンシリーズの特徴である無音の中に打撃音だけが強調された格闘シーン。音楽が全く流れない静寂のなかで、リアルな格闘の打撃音が際立つことで、一層緊迫感が高まり、アクションファンにはたまらないシーンだったと思います。

 物語は1973年のブタペストを皮切りに、KGBによるCIA工作員の洗脳や解放、恋愛模様も描かれたり。また北極で働く労働者がバーでの喧嘩で強さを見せ、気づけば血まみれの状態で記憶を失うというミステリアスなエピソードや、北朝鮮の主婦が子どもが持ち帰ったおもちゃの音をきっかけに将軍暗殺を無意識のうちに行ってしまう展開、さらには元記者のタクシー運転手が事件を調査するなど、多種多様なドラマが同時に進行します。

 これら多彩なエピソードが目まぐるしく切り替わるため、1話約40分の中で飽きることなく視聴できました。しかしながら、多数の短い物語が同時に描かれるため、次第に「今どのエピソードの話を見ているのか?」と混乱してしまうこともあり、各エピソードのつながりが分かりづらくなる場面もありました。

 さらに、全10話を通して視聴しましたが、どのエピソードも完全に解決せずに終わってしまうため、続きが気になるものの打ち切りとなってしまったことは非常に残念であり、物語の完結を望む声が高まる作品でした。

☆☆☆

鑑賞日:2022/03/05 Amazonプライム・ビデオ

監督アレックス・グレイヴス
脚本ティム・クリング
製作総指揮ティム・クリング
出演ジェレミー・アーヴァイン
オマー・メトワリー
トレイシー・イフェアチョア
ハン・ヒョジュ
ブライアン・J・スミス
ガブリエル・シャルニツキー
エミリア・シュール
ミシェル・フォーブス
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