映画【トランスフォーマー/ロストエイジ】感想(ネタバレ):爆破とカーチェイス満載!SFアクション大作

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●こんなお話

 良いもんのエイリアンと人類は今まで共同戦線張ってたけど、エイリアンは全部敵だと攘夷論者になった人類たちは良いもんのエイリアンを討伐し始めて、主人公がたまたま見つけた良いもんのエイリアンと共にいつの間にか香港で爆破爆破の連続の話。

●感想

 このシリーズ恒例の「これでもか!」というアクションシーンの連続には、今回も圧倒されました。画面いっぱいに繰り広げられる迫力ある映像は健在で、冒頭からエイリアンが討伐されていくド派手なアクションで一気に引き込まれます。そこから舞台はテキサスへ移り、発明家である主人公の生活が描かれ、娘との関係や恋人の存在など、家庭内の悩みが丁寧に挟み込まれる。

 物語は良いエイリアンとの出会いをきっかけに動き出し、彼らを守ろうとする主人公が、CIAのような殺し屋集団に追われて逃走を始める。ここから怒涛の爆破とカーチェイスの連続で、これだけでもうお腹いっぱいなくらい盛り上がれました。しかし、これらすべてが1幕目で、50分以上使っていて「さすがは160分の映画」と思わされる構成。

 さらに、エイリアンを運び込んで研究している企業が存在していることが判明し、主人公たちはそこへ潜入する展開に。国家機密を扱うはずの施設に意外と簡単に入れてしまうのは少し拍子抜けでしたが、もし「スパイ大作戦」風のチーム潜入ミッションとして描かれていたら、また違った面白さがあったかもしれないと考えたり。ただ、そこまで丁寧に描いていたら、上映時間は3時間超えてしまいそうなので、バランスとしては致し方ないかとも思います。

 中盤では娘が宇宙船にさらわれ、そこから物語は「容疑の晴らし」「仲間の救出」「世界の危機を止める」と、主人公の目的が3重にも4重にも重なっていく。娘の救出だけでも通常の映画ならクライマックスになり得る内容ですが、それが終わってもまだ戦いが続く。エイリアンの兵器が暴走すると地球が滅びる可能性があるという、さらなる危機が控えています。

 また、人類がエイリアンの技術を使って開発した兵器を、なぜか中国で大量生産しているという流れには驚きました。アメリカ最先端の軍事技術を中国で作らせるという設定もインパクトが大きいです。

 アクション自体は、シリーズの特徴であるガチャガチャした編集と目まぐるしい映像で、中国に行くまでは比較的見やすかったです。しかしクライマックスになると、またもや誰が誰を攻撃しているのか分かりにくくなり、これまでの作品との違いも見えにくい展開になってしまったと思います。

 主人公は発明家であるはずなのに、なぜか格闘戦で殺し屋たちを倒してしまうのも謎。序盤では軍隊のようなスキルを持っていた敵の集団も、後半の中国編では登場人物が2人だけに減っていて、規模がかなり小さくなっていたのも気になったり。

 さらに、中国で兵器を生産している企業の社長と、その護衛のような中国人女性キャラクターのアクションシーンがかなり長く描かれていましたが、正直そのパートは物語本筋にあまり必要とは思えず、テンポを削ぐ原因にもなっていたと思います。あのパートはまるごと削ってもストーリーには影響なさそうと考え込んだり。

 全体として映画としての完成度は高くない印象でしたが、アトラクション的には楽しめました。爆発を設計した特殊効果スタッフ、車を縦横無尽にひっくり返すスタントチーム、そしてエイリアンのダイナミックな動きを生み出したCGチーム――彼ら職人たちの仕事をひたすら堪能する、そんな映画だったと思います。

☆☆☆

鑑賞日: 2014/08/09 TOHOシネマズ南大沢  2015/04/01 Blu-ray

監督マイケル・ベイ 
脚本アーレン・クルーガー 
出演マーク・ウォールバーグ 
スタンリー・トゥッチ 
ニコラ・ペルツ 
ソフィア・マイルズ 
ジャック・レイナー 
リー・ビンビン 
ケルシー・グラマー 
T・J・ミラー 
出演(声)ピーター・カレン 
フランク・ウェルカー 
渡辺謙 
ジョン・グッドマン 
ロバート・フォックスワース 
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