映画【プレステージ】感想(ネタバレ):複雑な時間軸と派手なイリュージョンが光るマジシャン対決映画

●こんなお話

　マジシャン2人が頑張って修行するけど片方の奥さんが事故で死んでしまってお互い憎しみ合ってマジックの出し抜きをしていっていく話。

●感想

　マジックの瞬間移動の最中に事故が起き、主人公のうちの一人が溺死し、もう一人は殺人容疑で逮捕され死刑判決を受ける。助手時代のマジシャン二人は、かつてのイリュージョン中に一方の妻が事故死し、その責任を相方に押し付けて決別。それぞれ別々の道を歩むことに。

　それぞれが成功したマジシャンとして成長し、お互いのマジックやイリュージョンの種明かしを狙って切磋琢磨する。片方は恋人と結婚し子どももできて幸せな生活を送るが、もう片方は瞬間移動マジックの種明かしを狙い、助手をスパイとして送り込む。しかしそのスパイがライバルの恋人と本気で恋に落ちてしまう。

　物語は天才発明家が開発した電撃装置を軸に進み、それを使ったマジックが展開される。捕まった主人公は実は双子でまったく同じ顔を持ち、それぞれが似た人生を歩んでいたことが明らかに。もう一方の主人公は電撃装置を使うとクローン人間が現れ、瞬間移動はそれによって可能になっていたという衝撃の真相が判明する。最終的に死刑執行が行われ、残った主人公がもう一人を殺害して物語はおしまい。

　主人公の一人がマジック中に命を落とし、殺人容疑で捕まる中、時間軸が行き来しながら二人の因縁が描かれていく。二人がお互いのマジックを見破ろうと切磋琢磨する姿は、映像も派手で非常に見応えがありました。

　ただし、ラストの種明かしが突如SF的要素に変わるため、ここについていけるかどうかで評価が分かれそうです。マジックというよりは派手なイリュージョンに近く、マジシャン同士の対立構図もあまり際立たない印象。複雑なマジックのモチーフに加え、時間軸の入れ替わりやカメラの揺れが続き、見ていて疲れる場面もありました。

　瞬間移動マジックの種明かしは、一方が詐欺的、もう一方がファンタジー的で、意外性には欠けました。マジシャンが地位や名誉を守るために大変な努力をしていることが伝わり、勉強になる映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2014/08/19 Hulu　2024/04/06 Hulu