●こんなお話
レジスタンスが政権と戦ったり、政権側にも問題があったりの最終シーズン。
●感想
ジュリアナは並行世界でスミス一家と和やかに暮らしているが、そこにも刺客の魔の手が迫ってくる。一方、木戸憲兵隊長は、戦争で命を落とした息子が英雄と称えられるものの、実際の息子は心に深い傷を負い、薬物に依存する日々。木戸自身もその現実に苦しみ、揺れ動く。
スミスは家庭内でのギクシャクした関係に悩み、娘との距離は縮まらず、妻との間にも溝が生まれている。そんな中でも彼は権力闘争の只中にいて、盗聴の事実を逆手にとって、自身の立場を巧妙に強化していく。
チルダンはかつての骨董店に戻るが、そこでは日本人の助手と恋愛関係になり、日本の権力中枢に接近するチャンスを掴む。皇太子妃が戦線不拡大を主張することで、日本陸軍から警戒されるようになり、チルダンはその板挟みに立たされる。
黒人反乱軍は抵抗を強め、日本の重要な燃料施設を爆破。混乱の中で次第に状況は収束どころか、より不安定になっていく。
最終的には、ジュリアナがスミスに攻撃を仕掛け、並行世界へと通じる扉が開かれていく。その扉を通って多くの人々が行き来することで、シリーズはクライマックスを迎える。
シーズン冒頭ではケイリー・ヒロユキ・タガワ演じるタグミが退場し、彼の存在感を愛していたファンにとっては寂しい幕開けでした。全体として、このシーズンは大きな物語の進行があまり見られず、テロ行為や権力闘争、家庭内不和といったテーマが繰り返され、視聴者としてはやや冗長に感じる構成だと思います。終わり方もやや印象に残りにくく、物語が一つにまとまった感覚を得にくいシーズンだったと感じました。
それでも木戸憲兵隊長のキャラクターは非常に魅力的で、単なる敵役ではなく、内面の葛藤を抱えながらも人間らしさを感じさせる描写が印象に残りました。一方で、ジュリアナは物語の中心人物であるはずなのに、行動がやや衝動的で、登場するたびに問題を引き起こしている印象が強く、共感しにくいキャラクターになっていたと思います。
☆☆☆
鑑賞日:2024/01/04 Amazon・プライム・ビデオ
製作総指揮 | リドリー・スコット |
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原作 | フィリップ・K・ディック |
出演 | アレクサ・ダヴァロス |
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ルパート・エヴァンス | |
ルーク・クラインタンク |