映画【第五福竜丸】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 ビキニ環礁での水爆実験で被ばくした漁船の話。

●感想

 被爆してしまう重たいテーマですが、語り口は軽妙でむしろ面白いものでした。それが効いていて、遠くできのこ雲が上がるところから「ピカじゃねえのか?」とわからないながら急いで現場を後にしますが死の灰が降り注いでも「何だべ? これ」とそのまま被爆し続けてしまう恐怖。

 漁港に戻ってきてから、しだいに放射能を浴びたということが広がっていき。「マグロ食べちまった」や「キッスをしたけど大丈夫?」と不安や恐怖にかられる町民たち。そしてガイガーカウンターを当てられメーターが上がるたびに、恐れられる。まるで見世物のようになっている姿が観ていられないです。アメリカの視察団が来ても、何も言わず診るだけで不信感が募るのもわかります。

 中盤で東京の病院に入院するあたりから無線長にスポットがあたりますが、この無線長は明るさを忘れず家族に帰る約束をする人物として描かれていて。その人がしだいに衰弱していく姿はいたたまれない気持ちになりました。

 実際に遭った事件を知ることのできる映画でした。

☆☆☆

鑑賞日:2012/04/27 DVD

監督新藤兼人 
脚本八木保太郎 
新藤兼人 
出演宇野重吉 
乙羽信子 
小沢栄太郎 
千田是也 
永田靖 
三島雅夫 
松本克平 
稲葉義男 
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