●こんなお話
不良分隊の活躍やアソーカ・タノのその後やマンダロリア包囲戦の話。
●感想
クローン・ウォーズの最終シーズンは、全体を通して大きな1つの物語が4話ごとに展開していく構成で、シリーズを通して追いかけてきたファンにとって圧巻の仕上がりでした。
序盤のエピソードでは「不良分隊(バッド・バッチ)」と呼ばれるトルーパーたちが登場。戦術に長けたリーダー、怪力自慢、テクノロジーに強い兵士など、それぞれの個性が立っていて、戦闘シーンも見ごたえたっぷり。彼らの荒削りながらも芯のある戦いぶりは、クローンたちの奥深さを感じさせられます。
続く中盤では、ジェダイ・オーダーを去ったアソーカ・タノが新たな出会いを果たす。シンジゲートと関係のある姉妹と行動を共にし、彼女たちと危機を乗り越えていく。アソーカの人間的な成長や、彼女が何を大切にしているのかがより浮き彫りになっていく流れが丁寧に描かれてました。
後半では、マンダロアの支配を狙うダース・モールに対して、アソーカがデス・ウォッチと共闘し立ち向かっていく。ビジュアルの美しさもこの頃には際立っていて、戦闘や宇宙船のシーンは映像を眺めているだけで心地よくなってしまうレベルです。
そして圧巻のラスト4話では、『シスの復讐』の裏側で起こっていた出来事が描かれ、本編とは別の場所で同時にこれほど衝撃的な展開が起きていたことに驚かされました。ダース・モールの暴れっぷりもすさまじく、彼の存在感がとにかく強かったです。
なによりも心に残るのは、「オーダー66(ジェダイ抹殺命令)」が出された瞬間。今まで何シーズンにも渡って共に戦ってきたクローン・トルーパーたちが、突如アソーカに銃を向ける。言葉にならない衝撃と悲しさがこみ上げてきます。170話以上を費やして築かれてきた絆が、一瞬で断ち切られる絶望感が胸を打ちました。
そ して、アナキンとアソーカの絆が完全に断ち切られたことを象徴するような、ダース・ベイダーとなったアナキンのラストカット。静かでありながら強烈な余韻を残して終わるその瞬間は、シリーズの終幕として完璧でした。
スピンオフという立場を超えて、本編をより深く、より立体的にしてくれる重要な作品。スター・ウォーズの世界に真の厚みを与えてくれる傑作シーズンだと思います。
☆☆☆☆☆
鑑賞日:2021/01/03 Disney+ 2024/03/31 Disney+
総監督 | デイブ・フィローニ |
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原作 | ジョージ・ルーカス |