●こんなお話
凍ってしまった地球で地球を延々とまわり続ける列車。永久エンジンで走り続けて、先頭車両から階級分けされていて、最後尾の貧困層が革命を起こして先頭車両にいる列車の創造主を目指す話。
●感想
地球温暖化対策のために打ち上げられたロケットの影響で地球が冷凍されちゃって、ノアの箱舟的に永久エンジンを積んで一生動き続ける列車がある。そこの最後部の住民たちは虐げられていて、特等席の先頭車両へ向けて反乱を起こしていく。
主人公が暮らす最下層は、虐げられていて、子どもはサイズを計られどこかに連れ去れていく。歯向かって靴を投げたら「靴は投げるものではない。靴は靴の役割がある」と演説をされて腕がカチコチに凍らされてハンマーで破壊されたり。そういった状況、世界に嫌気がさして一車両ずつ危機を突破していくという前半から中盤。
ここら辺はエンタメ映画として楽しく。一車両ずつにいろんな障害があってどうやって突破していくのかという面白さ。斧を持った男たちあが待ち構えている車両とか普段何をしている車両なのか気になるくらいの人口密度でした。
油断させておいてからの銃撃の怖さとかもすごくてお祝いの卵の山からのマシンガンとか意外性の面白さがあってよかったです。
追いかけてくるカタキ役の大男がしつこくて倒されても倒されても起き上がってくるのとかも不思議な魅力がありました。車両の後部と前部での窓越しの銃撃戦とかも見たことのないアクションでよかったです。
主人公が後半に語る貧困層での暮らし。なぜ、あんな格闘術に長けてるのかとわかったときのゾッとする感じとかはよかったです。そして相棒である韓国人が外の景色に見たというもの。最後だけ口をつぐんでしまい、映画が終わってもその台詞は出てこなかったですが。ラストに映し出される氷の世界での王様。そして生き残った人を見たときにわかるアイデンティティ。あれだけ殺しあっていた人間たち、主人公を含めて。けれどもラストのカットで希望が持てるものでハッピーエンドを感じさせてくれるラストでした。
ただいくら世界観を説明するためとはいえ、展開として相棒となるセキュリティのプロである韓国人が登場するまでが長いし。娘さんの予知能力とかって必要だったのかな? 重要そうな人物たちがどんどん退場してしまうのもエンタメの視点から見ると肩すかしを感じてしまいました。けれど単調になりがちな車両という狭い視点で120分を引っ張ってくれて楽しめる映画でした。
☆☆☆☆
鑑賞日: 2014/02/14 TOHOシネマズ南大沢 2022/03/27 NETFLIX
監督 | ポン・ジュノ |
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脚本 | ポン・ジュノ |
ケリー・マスターソン | |
原作 | ジャン=マルク・ロシェット |
ベンジャミン・ルグランド | |
ジャック・ロブ |
出演 | クリス・エヴァンス |
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ソン・ガンホ | |
ティルダ・スウィントン | |
ジェイミー・ベル | |
オクタビア・スペンサー | |
ユエン・ブレムナー | |
コ・アソン | |
ジョン・ハート | |
エド・ハリス |