●こんなお話
無法地帯の街で愛する女性のために戦うおじさんたちの話。
●感想
刑事が少女をレイプ犯から救おうとするが、信じていた相棒に裏切られて重傷を負ってしまう。それでもなんとかレイプ犯を倒して少女を救出するという壮絶な幕開けから始まる。
大男のエピソードでは、自分に優しく接してくれた唯一の女性が殺されたうえに、濡れ衣まで着せられたために逃走。真犯人を探して奔走することになる。途中、殺された女性にそっくりな人物に襲われたり、協力してくれる女性たちとともに人喰い犯と戦う展開へ。最終的にリベンジには成功するが、その代償として捕まり、電気椅子で処刑されるという悲劇的な結末を迎える。
顔を変えた謎の男のパートでは、知り合いの女性がチンピラたちに家を襲われ暴力を受ける場面に遭遇。助けたものの、そのチンピラたちは実は刑事で、街には「警官には手を出すな」という掟があったことから事態がこじれる。仲間の中にも裏切り者がいて、刺客が次々と送り込まれるが、巧みに返り討ちにする。
一方で、重傷だった刑事は刑務所に入れられ、かつて助けた少女と文通していたが、あるとき連絡が途絶える。出所後、少女の行方を探すと、彼女がダンサーになっていたことを知る。しかし、少女を襲った町の有力者の息子であるレイプ犯が、復讐を狙って彼女を追い詰める。ダンサーは再び誘拐され、主人公も命を狙われるが、壮絶なピンチを脱してレイプ犯を叩きのめし、ついに殺害する。
だが相手は権力者の息子。殺したことで街中から追われる立場となり、主人公は少女を逃がすために自ら命を絶つ。こうして3つのエピソードは、それぞれの哀しみと怒り、暴力に満ちた形で締めくくられていく。
全体的に独特のビジュアルで構成されており、映像はマンガのような構図で統一されていて見ているだけでも楽しいです。モノローグ主体の語りで進行するため、好みは分かれる作品かもしれないですが、このスタイルに浸ることができれば120分間退屈せずに楽しめると思いました。ストーリーは一見バラバラだが、暴力と復讐、正義と狂気といったテーマで一本の筋が通っています。
容赦ないバイオレンスとスタイリッシュな映像、どのカットもグラフィックノベルを切り取ったようなビジュアルセンスが冴えわたり、観る者をこの世界観に引きずり込んできます。ただ、感情を重ねて盛り上がっていくような構成ではないので、気持ちの起伏という点ではやや乏しく、モノローグを追うのに疲れてしまうかもしれないです。だが、そこにハマれば強烈な没入感を得られる映画でした。
☆☆☆
鑑賞日: 2015/01/29 Blu-ray 2025/05/15 WOWOW
監督 | ロバート・ロドリゲス |
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フランク・ミラー | |
特別監督 | クエンティン・タランティーノ |
脚本 | ロバート・ロドリゲス |
フランク・ミラー | |
原作 | フランク・ミラー |
出演 | ブルース・ウィリス |
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ミッキー・ローク | |
クライヴ・オーウェン | |
ベニチオ・デル・トロ | |
イライジャ・ウッド | |
ジョシュ・ハートネット | |
ブリタニー・マーフィ | |
デヴォン青木 | |
ロザリオ・ドーソン | |
ニック・スタール | |
マイケル・クラーク・ダンカン | |
ルトガー・ハウアー | |
マイケル・マドセン | |
ジェイミー・キング | |
アレクシス・ブレーデル | |
カーラ・グギノ | |
ジェシカ・アルバ |