映画【サイレント・トーキョー】感想(ネタバレ)

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●こんなお話

 連続爆弾犯とか警察とか被害者とかいろんな人たちの話。

●感想

 いきなり連続爆弾犯の脅迫があり、バカ騒ぎする若者たちが渋谷に集まって大爆発。というのは日本映画として大迫力で全く安っぽくなくこの映画1番の魅力なスペクトルなシーンに仕上がっていました。

 犯人らしき人たちや犯人に脅迫されてる被害者、犯人を追いかける警察、犯人らしき人と知り合いになった女性。等いろんな人たちが同時進行に話が進んでいく群像劇で、最初の脅しの恵比寿での小さな爆発から渋谷の大爆発までは楽しく見ることができました。

 ただしだいに怪しい若者は「母親の再婚が心配だから」という理由だけでめちゃくちゃ怪しい行動をとっていたのだろうか? という人間で結構な豪華な家に住んでいたので富裕層なのかな? そして仮にも拳銃を突き付けられるくらいの容疑者だろうけど、協力するということで刑事さんと一緒に行動するのとか許されるのだろうか? と気になるところが多かったです。

 佐藤浩市さん、石田ゆり子さんとかはほとんど登場しないと思ったら、最後にもろもろ心情を語り始めるという。全員集合してからの心情を長台詞で語らうという2時間サスペンスの崖のようなシーンにはうんざりしてしまいました。しかもその心情説明や自衛隊の海外活動の回想、爆弾犯のトレーニングなど、ひたすら説明なので結構な退屈度が高い皆さんの気持ちの吐露です。

 役者さんのお芝居もオーバーで、冒頭の記者さんたちが爆弾の情報で信じないながらも一応現場に行ってからの本当に爆弾があるかもという流れとかも、そこまで焦るのだろうか? 簡単に爆弾だと信じて行動しているのがバカバカしいという気持ちになるツカミでツカミとして失敗していると思いました。その後の合コンでの若者たちの「運命じゃなーい」とか【幸せな家族の外食】という回想でのいかにもなステレオタイプのクリスマスの家族の外食でのやりとりとか令和の時代にこういうシーンがあるのかと冷淡な視線で見てました。「お母さんを守るんだぞ」的なことを言うお父さん。子どもも「美味しいね!」みたいな子役子役したお芝居。つらいシーンでした。海外で傷ついておかしくなってしまった旦那さんと山小屋で爆弾づくりのトレーニングとかも、そこでのPTSDに苦しむとか日本の国防意識の低さとかを訴えるとかのものを感じず、ただのギャグにしか見えなかったです。

 佐藤浩市さんと石田ゆり子さんの関係性とかも回想でだらだらと説明している割にはわかりにくく、真犯人探しのサスペンスとしても弱い話運びだったと思います。

 犯人っぽい若者の家に行く広瀬アリスさんもいつ彼の家の住所を知ったのだろう? パソコンの映像を見るシーンがなぜ貞子とかを見たときのホラー表現なスクリームをするんだろう? と謎のキャラクターでした。そもそも渋谷で大量にいる人たちの中で、メインのキャラクター皆さんが偶然見つけるとかも映画の嘘とはいえ目立った突っ込みどころとして見てしまいました。

 せっかく日本映画でこういった緊迫のエンタメサスペンスを期待していた身としてはがっかりの作品でした。

鑑賞日:2020/12/21 T・ジョイPRINCE品川

監督波多野貴文 
脚本山浦雅大 
原作秦建日子
出演佐藤浩市 
石田ゆり子 
西島秀俊 
中村倫也 
広瀬アリス 
井之脇海 
勝地涼 
毎熊克哉 
加弥乃 
白石聖 
庄野崎謙 
金井勇太 
大場泰正 
野間口徹 
財前直見 
鶴見辰吾 
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