映画【チャイルド・プレイ チャッキーの種】感想(ネタバレ):チャッキーに子どもがいた!?爆笑&狂気が交錯する

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●こんなお話

 チャッキーが殺人をする一方、奥さんと子どもの教育をめぐってトラブルになる話。

●感想

 オープニングから度肝を抜かれる。体内を泳ぐ白いおたまじゃくしの映像が流れ、「これ、チャッキーの種じゃん!」とびっくりの、このタイトルクレジットだけで、すでに面白い映画だと確信してしまう最高のスタートでした。

 物語は、イギリスの腹話術大会から始まる。生きている人形がいて、自分と同じ「日本製」のロゴを見つけ、かつてテレビで見たチャッキー&ティファニーの存在を思い出す。人形は腹話術師のもとを脱出し、なんとイギリスからロサンゼルスまで飛行機で渡ってしまう。

 その頃、チャッキーとティファニーはハリウッド映画の撮影小道具として使われていた。主演女優は現在の役に不満を感じており、新作を撮ろうと意気込むラッパー兼監督にアピールしている。そんな中、ロンドンから来た子ども人形が撮影所に現れ、呪文でチャッキーとティファニーを復活させる。

 再会を果たした3人は家族として生きていこうと決意するが、ハリウッド女優と監督に近づき、チャッキーは女優に“種”を植え付ける。一方で、この子ども人形は非常に優しい性格で、殺人に対して強い抵抗を持っており、チャッキー夫妻とどんどんすれ違っていく。

 女優は妊娠に困惑し、監督はそれを否認。ティファニーは殺人の衝動を抑えようと努力するが結局は爆発し、監督のお腹を裂いて殺してしまう。チャッキーもパパラッチを襲い、硫酸で顔を溶かして殺すというグロい描写もありながら、どこか笑える演出が光る。

 チャッキーが乗り移ろうとしていた監督が死亡してしまったため、今度は女優の運転手をターゲットにする。しかし、チャッキーは人形のままの方がいいと突然心変わり。これにティファニーが激怒し、夫婦の対立が勃発。そんな中、女優は双子を出産する。

 混乱の末、チャッキーはティファニーを殺害。怒りに燃えた子ども人形は、ママを殺された復讐としてチャッキーに挑み、ついに彼を倒す。物語のラストでは、子ども人形が主演女優とその双子と一緒に5年間幸せに暮らしている様子が描かれ、チャッキーがまだ生きているかもしれないという含みを持たせておしまい。

 「チャッキーに子どもがいた!?」という驚きのコンセプトに加え、その子どもが虫も殺せない優しい性格というギャップが面白かったです。しかも、チャッキーが日本製だったことも明らかになり、思わぬ事実にびっくり。子育てに奮闘する殺人人形夫婦という新機軸で、ただのホラーではなくブラックコメディの要素が強く出ていると思いました。

 子どもを「息子だ」と主張するチャッキーと、「娘だ」と言い張るティファニーの言い争いも笑えましたし、硫酸で顔が溶けるシーンは「そこまで溶ける?」と疑問になるほど派手で印象的。ヒロイン的な女の子がまさかの展開になるところも意外性があり、飽きさせない展開でした。

 そして何より、チャッキーの子どもが不気味すぎる。その造形があまりにも独特で、どうやって作ったのか気になるほど。でも、その不気味さがこの映画の魅力でもありました。

 もはやジャンルとしてはホラーとは言い難いが、「怖がらせる」のではなく「楽しませる」ことに全力な作り手の姿勢が伝わってくる、とても好感の持てる一本でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2013/04/20 DVD 2023/12/27 Hulu

監督ドン・マンシーニ 
脚本ドン・マンシーニ 
出演ブラッド・ドゥーリフ 
ジェニファー・ティリー 
レッドマン 
ハンナ・スピリアット 
ジョン・ウォーターズ 
トニー・ガードナー 
ビリー・ボイド 
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