映画【セカンドバージン】感想(ネタバレ):大胆な時間構成、恋愛と人生を交差させる映像詩的ドラマ

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●こんなお話

 キャリア女性と年下男性の恋愛の話。

●感想

 冒頭で突然男性が撃たれるという衝撃的なシーンから始まりますが、その後は回想シーンが多く挿入され、「○日後」「○年後」と時間軸が頻繁に飛ぶため、物語の全体像を把握するのが非常に難しく感じられました。100分間を通じて、「何が描かれているのか」が見えづらいまま終わってしまった印象です。

 メインとなるのは、17歳年下の男性と恋に落ちるキャリアウーマンの物語のように見えますが、20年前に離婚して以来恋愛から遠ざかっていたという設定が明かされたにもかかわらず、恋愛関係の展開が非常に唐突で、観客としては気持ちを追いつかせるのが難しかったです。

 例えば、2人が車内で突然キスしていたり、「別れましょう」といきなり別れ話になったりと、重要な感情の流れが描かれないまま物語が進行してしまいます。男性側には既に結婚している描写もあるようでしたが、夫婦関係の背景がほとんど描かれず、なぜ彼がキャリアウーマンを選ぶのかという動機にも説得力が感じられませんでした。

 また、時間軸が混乱した回想が終わった後の現代パートでは、物語の動きが急に失速し、男性は寝たきりの状態でほとんど何もせず、看護師と恋愛観について語る場面が続くのみとなります。視聴者としては、「何を見せたい物語なのか」が明確でなく、感情移入がしづらかったのが正直なところです。

 構成がもう少し明瞭であれば、テーマや人物の心理描写もより伝わりやすくなったのではないかと感じました。

鑑賞日:2012/04/30 DVD

監督黒崎博 
脚本大石静 
出演鈴木京香 
長谷川博己 
深田恭子 
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