●こんなお話
ジグソウの協力者であるホフマン刑事が何故ジグソウの協力者になったのかを回想で描く流れと彼を追いかけるストラム刑事の捜査の流れ、そしていつも通りジグソウの死のゲームに参加させられた5人の男女の流れ。3つの流れが同時進行の話。
●感想
目を覚ました男が拷問マシンに拘束されており、ジグソウの音声メッセージが流れ出します。マシンが作動し、巨大な振り子が徐々に迫ってきて、結局男は腹部を切られて死亡。
ジグソウが死亡し、一連の事件が解決したと見なされて世間は一旦落ち着いた雰囲気に。ホフマン刑事は英雄として表彰され、事件の収束に尽力した人物として称賛されます。しかし、ストラム刑事はホフマンに不審を抱き、単独で調査を進めていきます。
物語では、ジグソウの過去も描かれ、ホフマンがジグソウと共に拷問装置を設置する場面など、過去の出来事が回想として挿入されつつ。ホフマンの過去には、妹を殺されたことで独自に犯人を制裁し、ジグソウのやり方で罰を与えた過去があったり。これを見抜いたジグソウがホフマンに接触し、以降彼の後継者として行動していたことが明かされます。このあたりでは1作目や2作目の出来事の裏側が描かれ、シリーズファンにとっては見応えのあるパートだと思います。
並行して描かれるのは、5人の男女が様々な拷問装置のゲームに参加させられるエピソード。首が切られる、電気風呂に落ちる、爆発に巻き込まれるなど、シリーズらしい死のトラップが次々と展開されます。参加者たちは、かつて火事で8人の命を奪った事件の関係者であり、それを隠蔽していた人物たちだったことが明かされます。
このゲームでは「5人の力を合わせろ」と何度も言われているにもかかわらず、各自が我先にと行動し、仲間割れを起こして次々に脱落していく。最初から協力する意志が薄く、全滅フラグが立っているような流れには少し物足りなさもありました。
終盤では、ストラム刑事がついにホフマンを追い詰めるかと思われましたが、実は彼自身がジグソウの新たなトラップにかけられていたことが判明。そして逆に、ストラムは別の刑事から容疑者として追われる立場となり、彼の命運も暗転。
ジグソウのすべてが計画通りだったかのように、アマンダの後継としてホフマンを選び、さらにストラム刑事までも新たな駒として計算していたことが描かれます。「一体どこまで先を読んでいたのか?」と思ってしまう展開ではありますが、それもこのシリーズならではの魅力だと思います。
拷問ゲームの内容にはやや勢いが欠ける部分もありますが、ホフマンとストラムの駆け引き、そしてシリーズ全体の繋がりを補完する回想などが充実していて、90分間しっかり引き込まれる内容でした。
☆☆☆
鑑賞日:2009/04/08 Blu-ray 2024/06/18 Hulu
監督 | デイヴィッド・ハックル |
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脚本 | パトリック・メルトン |
マーカス・ダンスタン |
出演 | トビン・ベル |
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コスタス・マンデイラー | |
スコット・パターソン | |
ベッツィ・ラッセル | |
マーク・ロルストン |