映画【ラッシュアワー2】感想(ネタバレ):香港で炸裂するジャッキー・チェンのアクションと笑い

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●こんなお話

 ニセ札を巡ってジャッキーとクリスタッカーが頑張る話。

●感想

 香港での休暇を楽しんでいた主人公コンビ。そこで突然、アメリカ大使館で起きた爆弾事件に巻き込まれ、ジャッキー演じる刑事が捜査に乗り出します。バカンスのはずが一転、国際的な犯罪に立ち向かうことになる展開に引き込まれます。

 ジャッキーは相棒に黙って単独で捜査を進めようとクラブへ。けれどもそこへ現れた相棒クリス・タッカーが、得意のマシンガントークと派手な言動で大騒ぎしてしまい、潜入捜査はあっさり露見。そこからの追いかけっこやアクションのテンポはさすがで、観ていて手に汗握る連続でした。さらに、マッサージを受けに立ち寄った先にまで敵が潜んでいて、またもや大騒ぎ。クリス・タッカーが捕まり、裸で香港の街中を駆け抜けるシーンは、コメディ要素たっぷりで笑いを誘います。

 一方で敵側も動きを見せ、警察施設を爆破するという大事件が発生。ジャッキーは相棒が巻き込まれて命を落としたと思い込み、悲しみに暮れますが、実はクリス・タッカーは無事。街をぶらぶらしていた彼が、偶然にも敵の姿を目撃し、その後を追って豪華な船上パーティーへとたどり着きます。そこにはジャッキーも合流し、事件は新たな展開を迎えていきます。

 船上では敵組織の内部抗争が表面化し、カタキ役の男が仲間に裏切られて銃殺されるというドラマチックなシーンも盛り込まれています。けれど、物語はまだ終わらず。舞台をアメリカに戻し、捜査はさらに深まります。潜入捜査官の情報から、ニセ札が絡む新たな陰謀が見えてきて、なんと先ほど命を落としたはずのカタキ役が実は生きていたという事実が判明します。

 ジャッキーは再び行動を開始し、ついに宿敵をビルから突き落とし、決着をつけます。そして、残された部下も自ら爆弾で自爆。これにて一連の事件は解決へと向かい、おしまい。

 ジャッキー・チェンのキレのあるアクションとユーモアを織り交ぜた演技は今回も抜群で、街中でのカーチェイスや格闘シーンは見どころ満載。身体ひとつで魅せるアクションの数々に、思わず拍手を送りたくなる瞬間が何度もあります。

 一方で相棒役のクリス・タッカーは、終始ハイテンションな演技で、ジャッキーの冷静沈着な動きとは対照的な存在です。場をかき乱すトラブルメーカーとしての役割は徹底していますが、その存在が物語にどう作用するかは観る人によって印象が分かれそうです。彼の言動によって事件が解決へと向かうというよりも、事件の展開に偶然巻き込まれ続けている印象を受けます。

 黒人刑事が街を歩いている最中にたまたま容疑者を見かけたり、敵の存在が偶然判明したりと、シナリオはご都合主義的な流れもありますが、それがこの作品のテンポの良さや勢いを生んでいるとも感じられます。

 特に印象深かったのは、ジャッキーが相棒の死を思い感傷的になるシーン。しかし観客にはすでに相棒が生きていることが知らされており、そのギャップによって感情が大きく揺さぶられることなく、むしろドライな視点で物語を見守るような気持ちになります。シリアスとコメディの混在が、このシリーズならではのバランスでもあります。

 カタキ役を演じるジョン・ローンが登場した時の期待感も大きかったですが、その後の展開にはやや肩すかしを感じつつも、華やかなアクションの数々と疾走感あるストーリーが最後まで飽きさせません。香港の街を舞台にした異国情緒あふれる映像も加わって、シリーズの中でも印象深い一本となりました。

☆☆

鑑賞日: 2015/03/07 Hulu 2023/07/08 Amazonプライム・ビデオ

監督ブレット・ラトナー 
脚本ジェフ・ネイサンソン 
原作ロス・ラマンナ 
出演ジャッキー・チェン 
クリス・タッカー 
チャン・ツィイー 
ジョン・ローン 
ロセリン・サンチェス 
アラン・キング 
ハリス・ユーリン 
ドン・チードル 
ソウル・ルビネック 
ケネス・ツァン 
マギーQ 
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