映画【スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還】感想(ネタバレ):ルークとベイダーの決着と銀河戦争の壮大なクライマックス

return-of-the-jedi-special-edition
スポンサーリンク

●こんなお話

 帝国軍がまたデススターを作って同盟軍に攻勢をかける中、炭素冷凍されちったハン・ソロを救うためにルークとかレイアが頑張りつつ、ダースベイダーと決着つける話。

●感想

 物語は、氷漬けにされたハン・ソロを救出するシークエンスから始まります。シリーズを通して活躍してきた主要キャラクターたちが一堂に会し、ジャバ・ザ・ハットの宮殿に乗り込んでの救出作戦。ここから一気にアクションが展開していくため、冒頭からテンションが高く、観客の気分をしっかりとつかんでくれる構成になっています。

 ルーク・スカイウォーカーが新たな姿で登場するのもこの場面。黒いローブをまとい、これまでよりもどこか達観した様子を見せながらフォースを操っていきます。その変化が、シリーズの時間の流れとキャラクターの成長を感じさせてくれました。ハン・ソロとチューバッカ、レイアにランドも加わり、仲間たちの連携でジャバの元から脱出していく流れは爽快で、シリーズらしい見せ場となっています。

 その中で注目されるのが、凄腕の賞金稼ぎとして知られるボバ・フェットやジャバ・ザ・ハットの描かれ方です。これまでシリーズを通じて強者としての存在感を示していたキャラクターたちが、予想外にあっけない形で姿を消してしまう展開には、やや拍子抜けするところもあるのですが、作品全体のテンポや重心の置き方を考えると、物語を前へ進める選択として理解できなくもありません。

 ハン・ソロ救出が終わると、舞台は再び銀河の運命を賭けた戦いへと移行します。帝国軍によって建造が進められていた第2のデス・スター。これを破壊するため、反乱軍が再集結します。ここから物語はクライマックスに向かって動き出し、宇宙空間での戦闘と、地上での作戦、そしてルークとダース・ベイダーの対決が並行して描かれていきます。

 その一方で、惑星エンドアに登場する原住民のイウォークたちとの交流や共同戦線のエピソードに時間が割かれていて、ややテンポに波があるようにも感じられました。彼らの文化や信頼の築かれ方などは丁寧に描かれているのですが、その分、ダース・ベイダーとの戦いに割かれる時間がやや少なく、もう少し深く見たかったという思いが残る構成だったかもしれません。

 しかしながら、ルークが父であるダース・ベイダーとの対峙を経て、シディアス皇帝との対決へと向かう一連の流れは、これまでの三部作を締めくくる上で重要なシーンの連続となっています。アナキン・スカイウォーカーという人物がどのような選択をし、何を見つめ直したのか。それはシリーズを通して描かれてきた父と子の物語として、静かに、しかし強く心に残りました。

 戦闘シーンは宇宙・地上ともにスケールが大きく、テンポもよく、最後までエンタメとしての力を発揮していたと思います。三部作の集大成として、アクションあり、人間ドラマあり、SFとしての世界観も健在で、まさに一大スペース・オペラを締めくくるにふさわしい作品でした。

☆☆☆

鑑賞日: 2015/05/07 Blu-ray

監督リチャード・マーカンド 
脚本ローレンス・カスダン 
ジョージ・ルーカス 
原案ジョージ・ルーカス 
出演マーク・ハミル 
ハリソン・フォード 
キャリー・フィッシャー 
ビリー・ディー・ウィリアムス 
アンソニー・ダニエルズ 
ピーター・メイヒュー 
セバスチャン・ショウ 
イアン・マクダーミド 
フランク・オズ 
デイヴィッド・プラウズ 
ジェームズ・アール・ジョーンズ 
アレック・ギネス 
ケニー・ベイカー 
タイトルとURLをコピーしました