映画【ランボー 最後の戦場】感想(ネタバレ):極限の戦場を描く!ランボーが突きつける暴力と平和のリアル

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●こんなお話

 タイで静かに生活してたランボーだけど、内戦状態のミャンマーに行きたいっつう医師団をボートで送り届けるけど。その医師団が軍に捕らわれたってんで、傭兵たちと共にまた川をのぼって救出しようとする話。

●感想

 冒頭から軍による虐殺描写が容赦なく、人体破壊の描写も極まっていて、とにかく不快感に満ちたスタート。けれど、その不快さこそが戦場の恐ろしさや非人道性を強烈に伝えていて、単なるエンタメ映画に収まらない異様な緊張感が漂っていたと思います。

 戦闘シーンはとにかく激しく、血しぶきや爆発の連続で、映像としての迫力は凄まじいです。けれど、物語の骨組みはシンプルすぎて、全体としての面白味に欠けてしまったと感じました。アクション映画としての勢いはあるけれど、ドラマとしての深みには乏しい印象。

 ランボーは最初、関わりたくないという態度でボートを出すのを渋るものの、映画的には「どうせ引き受けるだろうな」という流れが見え見えで、そのやりとりに退屈さを感じてしまいました。なぜ再び戦場に戻るのか、彼の内面にもう少し踏み込んでほしかったところです。

 医師団を助けるために傭兵たちと行動を共にするが、この傭兵チームもキャラの描き分けが曖昧で、せっかくの集団行動が印象に残らないのも残念。クライマックスの戦闘も大味で、誰がどう活躍してるのかがごちゃごちゃしていて分かりづらかったです。

 そしてランボーは、かつてのような特殊部隊の技術を駆使するのではなく、ほぼ機関銃でゴリ押し。あまりにも力任せで、戦略性というよりはただの暴力の連続に見えてしまったです。もちろん、その暴力の勢いに押されてしまう迫力はあるものの、物語としての起伏が少なく感じてしまいました。

 とはいえ、ここまで激しい暴力をあえて描いたことによって、「戦争は本当に解決手段なのか?」「他に道はないのか?」と問いかけるようなメッセージ性も感じられて、その点は印象に残る1作でした。

☆☆☆

鑑賞日:2009/09/18 DVD 2014/11/21 Hulu 2018/11/26 Amazonプライム・ビデオ

監督シルヴェスター・スタローン 
脚本シルベスター・スタローン 
出演シルヴェスター・スタローン 
ジュリー・ベンツ 
ポール・シュルツ 
マシュー・マースデン 
グレアム・マクタビッシュ 
ケン・ハワード 
レイ・ガイエゴス 
ティム・カン 
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