映画【REC:レック ザ・クアランティン】感想(ネタバレ):閉鎖されたアパートで感染パニック!消防隊密着ホラー映画

Quarantine
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●こんなお話

 消防隊に取材中のマスコミが出動先のアパートで感染者が襲ってきて大変な話。

●感想

 物語はテレビクルーが消防隊に密着取材をするというドキュメンタリー風の設定から始まる。消防隊員たちの日常が淡々と描かれ、犬を飼っていたり、古い装備の紹介やシャワー室の様子などが描かれていく。冒頭15分〜20分は事件の予兆も少なく、静かな立ち上がりで正直やや退屈に感じる部分もありました。

 しかし、消防隊がアパートに出動し、叫び声のする部屋に駆けつけた瞬間から、一気に状況が変わる。高齢女性が突然襲いかかり、隊員が噛まれ、警察官も負傷。現場は一瞬にしてパニックと化す。獣医が診察するが、狂犬病のような症状としか判断できず、原因も分からないまま、建物全体が外部と遮断されて監禁状態になってしまう。

 その後も次々と仲間が感染・凶暴化していく中、足首を骨折していた消防隊員が狂暴化しながら歩いてきたり、突如現れた政府関係者のような専門チームが感染者の頭部をドリルで処理したりと、混乱と恐怖が重なっていく。しかもその専門家も襲われてしまい、再びのパニック。事態は一向に収束しない。

 発生源と見られるのは、少女が飼っていた犬。少女も凶暴化し、住人たちは下の階からも上の階からも迫ってくる感染者に追い詰められる。脱出しようとする者は外から射殺され、逃げ場は完全に断たれる。生存の希望は、住人の一人が「屋上に繋がる鍵がある」と話した部屋へたどり着くことのみ。鍵を探して奔走し、たどり着いたその部屋には、カルト教団の拠点か研究施設のような異様な空間が広がっていた。そしてそこで待っ   ていたのは、さらに凶暴化した老人による最終的な襲撃。

 後半は、カメラの照明だけで進行するシーンや、暗視カメラの映像によって画面が暗く、揺れも激しいため、視認性はかなり落ちてストレスも大きかったです。ただしその不快さが、閉塞感や緊張感の演出として機能している側面もあると感じたり。

 そんな中で印象的だったのは、感染者にひとり立ち向かっていく消防隊のお兄さん。感染者を容赦なく殴って倒していくその戦闘力の高さが異彩を放っていました。

 全体として、序盤のゆったりした導入から、中盤以降のノンストップの恐怖と混乱への落差が大きく、ホラーとしてのテンションはしっかりと維持されていたと思います。POVホラーの臨場感を存分に味わえる1本でした。

☆☆☆

鑑賞日:2010/07/24 DVD 2022/11/16 NETFLIX

監督ジョン・エリック・ドゥードル 
脚本ジョン・エリック・ドゥードル 
ドリュー・ドゥードル 
出演ジェニファー・カーペンター 
スティーヴ・ハリス 
ジェイ・ヘルナンデス 
ジョナサン・シェック 
グレッグ・ジャーマン 
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