●こんなお話
モデルになっていく主人公とかの話。
●感想
有名進学校に通う優等生の主人公は、母親の期待に応えるため日々勉強に励む毎日。そんな彼女が、ひょんなことから街でスカウトされ、学園祭で行われるファッションショーのモデルとして参加することに。誘ったのは、別の学校に通う服飾専門学生たちのデザイナー集団で、その中心人物であるリーダーに半ば強引に巻き込まれていく。
自分に自信がなかった主人公も、髪型を変え、仲間たちとドレスを作りながら少しずつ変化。覚悟を試される場面で一度は拒絶しながらも、「やってやる」と強い意志を見せ、モデルとして歩み始める。
しかし母親の過干渉によって家出を決意し、リーダーの住む高層マンションの一室で共同生活を始めることに。そこでは、リーダーの義理の親との関係や、モデル仲間たちとの複雑な感情が交錯し、やがて主人公も仕事と向き合うため本格的にモデル業に挑戦していく。
一方で、デザイナー集団のブランドは売れ行きが振るわず解散が決定。リーダーは夢を追ってパリ行きを選ぶ。迎えたファッションショー本番、主人公はランウェイを堂々と歩き、母親やかつての憧れの男子生徒にも認められる存在に。優勝こそ逃したものの、仲間と努力した日々の達成感は確かなものとして胸に刻まれる。
その後、モデルとして海外で活躍するようになった主人公は、ある日偶然、パリでデザイナーとして成功したリーダーと再会を果たし、物語は静かに幕を閉じる。
オープニングは主題歌とともにカラフルな映像が流れ、観ているこちらの気分を一気に引き上げてくれる印象的なスタートでした。
ただ、主人公を演じた北川景子さんがどう見ても最初から”ガリ勉女子高生”に見えず、むしろ最初からプロモデルに見えてしまうのがリアリティに欠けていて少し感情移入しづらかったです。また、モデルの仕事を嫌々始めたはずが、現場では初めから堂々と輝いている様子は、女優としての本業が前に出すぎているようにも見えました。
主人公を導くデザイナー役の向井理さんは、登場するたびに違う衣装でまさに“1人ファッションショー”状態。それでもキザな台詞の数々を自然に見せられる雰囲気と演技力はさすがで、印象的な存在感でした。
物語自体は、勉強漬けの少女がファッションを通じて新しい人生と向き合っていく王道の成長譚。ファッションショーのシーンは華やかで、まさに“プロのモデル”というべきオーラがありました。ただ、個人的にはファッションに疎いこともあり、「オシャレだなあ」としか言えないのが少し悔しいところです。
一番気になったのは、ファッションショーというクライマックスのあと、30分以上もエピローグが続いた点。感動の余韻よりも「いつ終わるんだろう」と時計を気にしてしまいました。また、恋愛要素も急展開で、ショーの舞台裏でいきなりキス…といった描写にはやや唐突さを感じました。
☆☆☆
鑑賞日:2011/11/18 Blu-ray 2024/12/05 Amazonプライム・ビデオ
監督 | 新城毅彦 |
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脚本 | 坂東賢治 |
原作 | 矢沢あい |
出演 | 北川景子 |
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向井理 | |
山本裕典 | |
五十嵐隼士 | |
大政絢 | |
賀来賢人 | |
加藤夏希 |