●こんなお話
「むかしはよかった」と匂いで大人の心を虜にしてしまう謎の軍団と「未来に向かって生きよう」と子どものしんちゃんが大人に呼びかける話。
●感想
ドタバタコメディのしんちゃんというより、冒頭から終始不穏な空気で話が進んで怖い印象の出だしでした。いつもの大人たちがどっかおかしくなっていく。
高度経済成長の日本を知らない昭和58年生まれのボクから見ても、カタキ役たちが提示する世界はどこか懐かしく魅力的な世界でした。
「昔はよかった」という懐古主義に、しんちゃんは今現在の何気ない家族と過ごす日々、これからの未来を生きようと疑問を投げかけます。
クライマックスの未来を守るために東京タワーを駆けのぼるしんちゃんのクライマックス。
子どもには過去がなく未来しかない。未来しかない子どもたちは現在を明るいものにしていくしかないんだ。という大人たちへ対するメッセージ。
エンタメとして見せ場もあって飽きずに90分見れて面白かったです。
大人たちがいなくなったバーで本気のおままごとをしたり、バスのカーチェイス、デパートでのかくれんぼ。いるか? と思わなくはないですが、そこはいつものしんちゃんのサービスカット。
カーチェイスで子どもたちで5人の子どもたちらしい描き分けがあって笑えました。
野原ひろしが回想で正気を取り戻すような家族が作れないでいる自分に哀しくなる映画でした。
☆☆☆☆
鑑賞日:2014/05/11 DVD
リンク
監督 | 原恵一 |
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演出 | 水島努 |
脚本 | 原恵一 |
原作 | 臼井儀人 |
出演(声) | 矢島晶子 |
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ならはしみき | |
藤原啓治 | |
こおろぎさとみ | |
津嘉山正種 |